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輻輳と調節

輻輳(ふくそう)と調節は、眼球が物を見ようとするときに行う運動のこと。

輻輳(ふくそう)
調節
輻輳と調節とVR

輻輳(ふくそう)

輻輳とは、両眼で対象を注視しようとする時、眼球が内側に寄ったり、外側に広がったりする運動のこと。数メートルの範囲の対象までの絶対距離の手掛かりになります。

図1 輻輳 対象物が近い時は、いわゆる寄り目になる。

調節

調節は、見ている対象にピントを合わせるために、眼球にある水晶体の厚みを変化させること。水晶体の厚みを制御する筋の状態が、絶対距離の奥行き手掛かりとなるとされています。ただし、その効果はせいぜい1メートル程度までの距離内に限られています。

輻輳と調節とVR

輻輳と調節は通常、物を見る時に両方同時に行われます。しかし、2016年現在登場している消費者向けVRヘッドマウントディスプレイは、目から数センチメートルの距離に置かれたスクリーンを見るものが主流です。

この機構では、物理的には目から数センチのスクリーンを見つめているにも関わらず、あたかも現実世界と同じような奥行きのある世界が広がっているように知覚します。たとえ目は数センチ先のスクリーンを見ていても、能は数メートル先に物があるように感じる、という場合があります。

我々が普段暮らしている現実世界では、輻輳を行う(寄り目になったり戻したりする)角度と、水晶体の厚みを変化させる調節の量は比例関係にあります。しかし、上記のようなVRヘッドマウントディスプレイでは、調節はスクリーン(数センチ先)で固定されている一方で、輻輳を行う角度は認識するものによって様々に変化するのです。これら両者の矛盾が、眼精疲労を引き起こす原因として考えられています。[2]

(参考)
[1]日本バーチャルリアリティ学会(編)(2011) 『バーチャルリアリティ学』 東京 コロナ社 30頁
[2]不二門尚(2012) 『小児の両眼視と3D』 日本視能訓練士協会誌41巻、19-25頁


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