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体験の共有は広がるか 360度カメラ内蔵スマートフォンが近日登場へ【SVVR2017】

周囲を丸ごと撮影した360度静止画・動画(360度コンテンツ)をVRデバイスで視聴することにより、自分以外の人の「体験」を自分がその場にいるかのように体験可能になりつつあります。Facebookはこれを「体験の共有」と呼び、360度コンテンツの投稿に率先して対応しています。

体験の共有を行うために必要になるのが360度カメラ(全天球カメラ)です。

カナダのImmerVision社の副社長Alessandro Gasparini氏は、サンノゼで開催中のSVVR EXPO 2017で「1か月以内に主要なスマートフォンメーカーから360度カメラを内蔵したスマートフォンが発表される」ことを明らかにしました。

待望のスマホ内蔵360度カメラ

360度カメラは、リコーのTHETAが代表的です。Facebookが360度カメラで撮影したコンテンツに対応したこともあり、少しずつですが目にする機会も増えてきました。

ほかにもサムスンのGear 360やスマートフォンに挿して使えるInsta360シリーズなどさまざまなモデルが登場しています。現在、市販されている360度カメラで撮影した360度コンテンツをSNSなどで共有する場合は、スマートフォンと接続して通信を行います。

カメラを持ち運ぶことになるため、「スマートフォンだけで360度撮影ができればいいのに」と思うこともしばしばです。スマートフォンへ360度カメラが組み込まれるようになると、360度コンテンツとその再生環境としてのVRデバイスは一気に身近なものになり、誰もが簡単に体験を共有できるようになります。

パノモーフ・レンズ技術を持つ世界随一の企業ImmerVision

カナダに本社を置くImmerVisions社は、社員40名程度の小さな会社ですが、世界随一の「パノモーフ・レンズ」技術を保有しています。

パノモーフ・レンズとは、広角パノラマレンズの一種で、通常の魚眼レンズのような歪みが生じないレンズとしてImmerVision社がイメージセンサーとレンズに関する技術特許を有しています。同社の技術を使い、韓国のKolen社が製品化した世界最小のパノモーフ・レンズは、2.6mm×2.6mm、1/4インチセンサーを搭載し、その画角は歪みゼロの187度×360度です。


最小のレンズ2種を手に乗せた状態。高さだけわずかに異なる。

同社は最小クラスのパノモーフ・レンズであればスマートフォンへの組み込みが可能であるとしています。同社のブースにいた担当にも確認したところ、「詳細を伝えることはできないが、アジアの企業」(ImmerVision社担当者)としています。

ImmerVision社は、同社の提供するレンズによって2017年内に数百万台もの360度カメラを世の中に送り出すとしています。スマートフォンに内蔵するだけでなく、スマートフォンに装着するタイプの360度カメラやステレオカメラも発売されるとのこと。

ImmerVisionが技術を提供している中国のAltec社から発売予定のスマートフォン装着型360度カメラ(左)と立体視可能なステレオカメラ(右)。いずれもAndroidスマートフォンに装着して使用する。端子はUSB Type-C。充電はマイクロUSB経由、スマートフォンアプリ経由でライブストリーミングが可能。360度カメラは静止画6976×3488、動画1920×960での撮影、ステレオカメラは静止画3488×3488、動画1280×1280でのサイドバイサイド撮影。

さらにImmerVisionはプロ向けの機材を手がけるカメラメーカーにも技術を提供しています。

360度撮影の一般化

同社の副社長Alessandro Gasparini氏は、「VRの一般普及には、コンテンツもエンドユーザーの関心も足りず、アクセスもしにくい」と現在のVRの普及が直面している課題を指摘しており、同社の技術が360度カメラの普及に繋がると自信を見せています。

なお、現在、FacebookとPriscope(Twitter)が360度のライブストリーミングに対応しています。最近ではPeriscopeを使って、レディ・ガガが楽屋の様子を360度ライブストリーミング(アーカイブ)しています。ほかにも、日本人の身近なSNSではLINEも360度静止画の送受信に対応しています。

体験を共有する素地が着々と整いつつあります。

(参考)
ImmerVision 公式サイト
https://www.immervisionenables.com/

この記事を書いた人

すんくぼ(久保田 瞬)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。

Twitter:@tyranusii

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