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テック 2017.01.14

現実空間を3DスキャンしてVR環境を生成する技術が登場

MIT Media Labに所属するMisha氏は、現実空間を3Dスキャンし、その結果を用いて自動的にVR環境を生成するシステム「Oasis」を発表しました。

このシステムをつくと、コンテンツ製作者はVR空間を動き回るようなコンテンツを作るとき、現実空間の動き回れる範囲をデバイスが読み取りVR内で自動的に提示することで、体験者は壁や障害物にぶつかることなく安全に体験できます。

今までVR内の動き回る範囲と現実空間で動き回れる範囲を合わせようとするときは、現実空間を計測した結果に基づいてコンテンツ製作者自身がVR空間を構築する必要がありました。計測もプロフェッショナル向けの3Dスキャナを使う必要があり、誰でも行えるような作業ではありませんでした。

OasisはグーグルのAR技術であるTangoを搭載したデバイス(Misha氏が使用したのはタブレット)を用いて、誰でも簡単に任意の大きさの屋内空間をスキャンして家具や壁などの障害物を検出できます。その後、自動的に歩行可能なエリアのマップを作成し、歩き回れる範囲を反映したVR環境を生成します。

スキャンした屋内空間のデプスデータ(奥行きのデータ)は、VR体験中にオブジェクトを認識しトラッキングするためにも使われます。また、認識された現実空間のオブジェクトは、VR空間のCGに対応付けることができます。その結果、あたかもCGを触っているかのように感じることができるとのことです。

Misha氏が使用したのは、Tangoのタブレットです。同じTango搭載のデバイスでも2016年末に発売されたレノボのPHAB2 PROや2017年に発売されるASUSのZenFone AR等はさらに性能が向上しており、より高速な処理が可能になっていると思われます。

AR技術というと、現実の上にデジタルな情報やCGを重ね合わせる技術だというイメージが先行しますが、このようにVRに現実を取り込むことにも活用できます。

(参考)

Oasis – (英語)

http://web.media.mit.edu/~sra/oasis.html


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