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テック 2019.06.30

次世代規格DisplayPort 2.0、VR/ARは片目4K120Hzまで対応

 Video Electronics Standards Association (以下VESA) は、次世代伝送規格「DisplayPort 2.0」を正式に発表しました。同規格は、現在オーディオやモニターの接続などに使用されている「DisplayPort 1.4」の後継規格です。

VESAは、「DisplayPort 2.0」が実装された製品の発売時期は、2020年の後半頃になるとプレスリリース上で説明しています。

帯域幅が約3倍に拡張

「DisplayPort 2.0」は、「DisplayPort 1.4」と比較して約3倍のデータ帯域幅を実現したことに特徴があります。帯域幅の拡張は、8Kを超える解像度の実現や高リフレッシュレート、高解像度環境下でのHDR対応やマルチディスプレイ環境の効率化を実現します。VESAによると、VRやARに関しては「4Kやそれ以上」の解像度が実現できるとのこと。

USB Type-Cにも対応

「DisplayPort 2.0」は既存のDisplayPort規格への下位互換性を有します。DisplayPortコネクターに加えて、USB Type-Cコネクターにも対応します。USB接続を使用する場合、映像と同時に高速データ転送も可能となります。USB接続は、DisplayPort Alt Modeで動作します。

DisplayPort Alt Mode(USB接続)を使用したVR/ARディスプレイへの伝送は、解像度は4,096 × 4,096(2ディスプレイ)、リフレッシュレートは120Hzで1ピクセル当たり30ビットで行われます。HDRにも対応しており、映像信号を圧縮するDisplay Steam Compression(DSC)も機能します。

VirtualLinkにも影響か

今回の「DisplayPort 2.0」の発表は、「VirtualLink」にも影響するものと思われます。「VirtualLink」はVRヘッドセットとPCを接続するための、USB Type-Cコネクタを使用した新標準規格。現在HTCやマイクロソフトなど、様々なVRやPC関連企業が普及を進めています。

現行の「VirtualLink」は「DisplayPort 1.4」をベースとして規格化が進められており、今後「DisplayPort 2.0」に対応した次世代規格(VirtualLink 2.0のような)が登場する可能性は高いと考えられます。

DisplayPort 2.0伝送構成の一例

DisplayPort Alt Modeを使用したUSB Type-C接続(2レーン)

・3つの4K(3,840×2,160)ディスプレイ@144Hz、30bpp 4:4:4 HDR(DSCあり)
・2台の4K×4K(4,096×4,096)ディスプレイ(AR/VRヘッドセット用)@120Hz、30bpp 4:4:4 HDR(DSCあり)
・3つのQHD(2,560×1,440)ディスプレイ@120Hz、24bpp 4:4:4(圧縮なし)
・1つの8K(7,680×4320)ディスプレイ@30Hz、30bpp 4:4:4 HDR(圧縮なし)

【シングルディスプレイ解像度】
・16K(15,360×8,460)ディススプレイ@60Hz、30bpp 4:4:4 HDR(DSCあり)
・10K(10,240×4,320)ディスプレイ@60Hz、24bpp 4:4:4(圧縮なし)
【デュアルディスプレイ解像度】
・2つの8K(7,680×4,320)ディスプレイ@120Hz、30bpp 4:4:4 HDR(DSCあり)
・2つの4K(3,840×2,160)ディスプレイ@144Hz、24bpp 4:4:4(圧縮なし)
【トリプルディスプレイ解像度】
・3つの10K(10,240×4,320)ディスプレイ@60Hz、30bpp 4:4:4 HDR(DSCあり)
・3つの4K(3,840×2,160)ディスプレイ@90Hz、30bpp 4:4:4 HDR(圧縮なし)

(参考)Road to VR

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