Home » AR開発ツールのZappar、約4.2億円の資金調達


活用事例 2017.02.27

AR開発ツールのZappar、約4.2億円の資金調達

ロンドンに拠点を置く拡張現実(AR)の開発会社、Zappar社は375万ドル(約4.2億円)の資金調達をしたことを発表しました。

Zapparは、これまでワーナー・ブラザーズ、コカ・コーラ、マンチェスター・シティFCなどの小売、テレビ、映画、パッケージ商品業界の200を超えるパートナーと協力してARコンテンツや開発ツール「Zapworks」の制作を行ってきました。

今回の資金調達により、新製品の開発の加速と主力製品である「ZapWorks」のサポートが強化を行うとしています。

ZapWorksとは、メーカーからマーケティング代理店、個人開発者まであらゆる開発状況におけるARコンテンツ作成に利用できる開発ツールです。Unityのようにゲーム等さまざまなコンテンツを開発できるツールとは違いAR、VR、MR(複合現実)ソフトの作成に特化しています。今までは主に広告の制作に利用されてきましたが、大掛かりなゲームの作成もできる点が特徴とのこと。Zappar社は、印刷された「ザップコード」にカメラを向けるとARが表示される無料のARスマートフォンアプリを提供していますが、この開発にもZapWorksが利用されています。

また、同社はGoogleのCardboardにインスパイアされた30ドルのMRヘッドセット「ZapBox」のクラウドファウンディングにも成功しており、安価なMR体験の提供が期待されます。

Zappar社はVRコンテンツ作成技術を牽引していく

今回の資金調達による資金は、すでにサムスンやボーダフォンなどの主要ブランドで使用されている主力製品ZapWorksのさらなる開発、グローバル展開、グローバルサポートに利用される予定です。また、新製品の開発やセールス、マーケティング、研究開発部門の強化にも利用されます。

今回の資金調達に関して、投資を行ったHargreave Hale社の投資マネージャー、オリバー・ベッドフォード氏は、以下のように述べています。

「AR、VR、MRの技術やコンテンツが主流になっていく中で、私たちは特別な瞬間を迎えています。この分野には多くの企業が参戦していますが、Zappar社は確立された、効果的で、堅牢で、スケーラビリティの高いコンテンツ作成技術に根ざした明確なフロントランナーです。市場と開発者のニーズに応えてくれるでしょう。」

また、資金調達に協力した企業の一つ、You & Mr Jones社のパートナーであるジョージ・パースト氏は、次のように述べました。

「Zappar社はARコンテンツを制作するビジネスや創作活動に力を与える最高クラスの事業者です。今年始めにZapWorksの提供を開始して以来、使いやすいプラットフォームや豊富なツール、手頃な価格が市場に高く評価され、このビジネスの大きな可能性が示されてきました。Zappar社は、ARコンテンツの開発を手軽で一般的なものにするために必要な解決策を握っており、私は同社の成功を楽しみにしています。」

Zappar社のCEO、Caspar Thykier氏は以下のように述べ、同社の将来に自信をみせています。

「この資金調達は、事業の大きな節目の一つです。Zapparの使命はARを手軽でなじみのあるものにすることであり、すでにARは利用者に魅力的な将来像を示しています。今回の資金調達に協力していただいた投資家たちは、モバイルデバイスとヘッドマウントディスプレイを介してデジタル時代の新発見を提供するARを信頼しており、今後への期待を寄せています。」

ZapWorks
https://zap.works/

ZapBox
https://www.kickstarter.com/projects/713418541/zapbox-experience-mixed-reality-for-just-30

(参考)
AR Specialist Zappar Nets $3.75m in Funding, Aims to “Democratize Augmented Reality”(英語)
http://www.roadtovr.com/augmented-reality-specialist-zappar-closes-3-75m-series-a-funding-round/

※Mogura VR は、Road to VRとパートナーシップを結んでいます。


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード