「ようこそVRの時代へ」、Oculus研究チームのチーフサイエンティストが語るVRへの想い

Oculus研究チームのチーフサイエンティストであるマイケル・アブラッシュ氏がOculusのブログにて、自身のSFに関するエピソードを交えながらVRへの想いを語った文章を公表しました。同氏のVRへの想いの強さが伝わる内容となっています。

 Michael Abrash

Welcome to the Virtual Age』 – Michael Abrash から要約 :

私(マイケル・アブラッシュ氏)がまだティーンネイジャーで丁度サイエンス・フィクション(SF)にのめりこんでいた頃、アメリカのSF作家 Robert A. Heinlein氏の短編ストーリー「Misfit」(1939)を初めて読みました。そのストーリーの大部分は忘れてしまっているが、私の心から離れないイメージが一つだけあります。それは作中に登場する船長が、船の軌道を計算するために巨大な”積分計算機”をいつも身に着けていたシーンです。

今日、私たちはそれの数十億倍パワフルな携帯電話をポケットに入れて持ち運べていますし、それだって数年おきに更に良い物に取って代わられていくでしょう。

過去77年間のテクノロジーの進歩は、昔のSF物で考えられていたよりも遥か先を行っています。ENIACやIBM PC、そしてiPhoneに代表されるようなプラットフォームは、基本的に私たちがいかにして働き、遊び、そしてコミュニケーションをとるかによって変化してきました。

Oculus Rift

別のマイルストーンについて述べると、2016年3月28日は、SFのようにさえ感じる現実への第一歩となりました。Oculus Riftは、他の場所へのテレポート体験を可能にする初の消費者向けVRヘッドセットです。これは世界を変える可能性をもった技術と私たちの旅の始まりです。

ビデオゲームから本まで全てのメディアは表現に限界があるので私たちは心の中で体験を再構築する必要がありますが、その過程で次第に没入力を失ってしまいます。

『マトリックス』でネオを見下ろすとき、私たちは眩暈を感じますが、まさか上空1,000フィートの端に立ったときの体験そのものをできるとは思っていないでしょう。

Oculus Riftでその高さに立つと、VRが根本的に異なった体験を提供することを理解することができます。本当に上空1,000フィートの端に立っている体験ができ、私のような人なら反射的に後ずさりしてしまうでしょう。VRに関して解釈したり再構築する必要はありません。VRは現実世界と直感的に繋がっているのです。

VRが変革的だと理解する唯一の方法は“体験すること”です。VRは私たちの知覚能力を最大限利用して、デジタル情報と対話するための扉を開きます。論理的な結論を言ってしまえば、全ての過去のコミュニケーションチャンネルを内包した基盤であるVRは、我々が体験することのできるメディアの中で究極の限界です。VRは私たちの生活に大きな影響を持つことになります。5年から10年も経てば、Skypeで通話する代わりにVRでローマのナヴォーナ広場のテーブルで友人と会話したり、ヤンキースタジアムにテレポートしてゲームを観戦することができるようになるでしょう。その領域に至るには時間と研究と革新的な技術の多くを必要としますが、可能性の範囲内にあることは確かです。

VRはすでに教育やテレプレゼンス、建築やゲームに至るまで、分野を超えて変革を与え始めています。これらはこれから何十年も、私たちの想像だにしない形で互いに相互作用しながら影響を与え続けていくでしょう。

ようこそ、VRの時代へ – Welcome to the Virtual Age -

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(参考)
Welcome to the Virtual Age(英語)
https://www.oculus.com/en-us/blog/welcome-to-the-virtual-age/

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この記事を書いた人

  • fukafuka_san

    VRやARなどのロマン溢れる最先端技術に興味のある理工系大学院生です。趣味でホームページや動画の制作も行っており、現在は「Mogura VR」さんにてVR関連の記事を執筆しております。

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