中国最大のメッセージアプリ「WeChat(微信)」は、メッセージの送受信から料金の支払いまで様々な用途で使われています。現在、Wechatに対応した独自のARプラットフォームの開発が進められています。
Tech in Asiaによると、WeChatアプリの開発企業であるテンセントは、同アプリに対応したARプラットフォームの開発を進めています。ARフレームワーク『QAR』を用いたプラットフォームではサードパーティの開発者によるARアプリを公開することが可能になります。
WeChatは現在10億人に近いユーザーがおり、中国国内のいくつかの都市ではWeChatを用いて医者の予約を取ったり、光熱費や交通機関の料金の支払いにも利用することが可能で、国内で大きなシェアを占めています。
中国国内のモバイルAR市場を独占するか
WeChatが独自のARプラットフォームを開発する理由として、中国政府による国内での規制が挙げられます。中国ではフェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのSNSは規制のためアクセスできません。またGoogle Play StoreやApp Storeなどのアプリ配信プラットフォームにも大きな制限がかかっています。
アップルやグーグル、フェイスブックなどはスマートフォンを使い空間を認識するAR機能の実装を進めていますが、中国国内では利用できない状況です。このため、WeChatのARプラットフォームが中国国内のモバイルAR市場のニーズを埋める役割を果たします。
また、テンセントは今年4月にはWeChatアプリ内で使用できるアプリストア「WeChat Mini Programs」も公開しており、同社独自の市場を築こうとしている姿勢が伺えます。
WeChatのARプラットフォームに関しては実装日など詳細は定かではありませんが、アップルやグーグルなどの手が及ばない中国国内でのモバイルAR市場で大きな存在感を示す可能性があり、今後に注目されます。
(参考)
Road to VR / China’s Largest Messaging App ‘WeChat’ is Creating its Own AR Platform(英語)
https://www.roadtovr.com/chinas-largest-messaging-app-wechat-creating-ar-platform/
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