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VTuber 2019.07.27

VTuberクラウドファンディング事例まとめ(2019年最新版)

Web上で支援者から資金を募り、プロジェクトに挑戦する「クラウドファンディング」。日々立ち上げられるプロジェクトの中には、VTuber(バーチャルユーチューバー)に関するものも見受けられ、調達額が1,000万円を超えるケースも増えてきています。

本記事では、様々なVTuberのクラウドファンディング事例の中からピックアップして、ジャンルごとに紹介します。

目次(敬称略)

■音楽/ライブ
1. 花譜 – 音楽ライブ(支援総額4,000万円)
2. 響木アオ – 音楽ライブ(支援総額約630万円)
3. Vフェス – 音楽ライブ(支援総額約950万円)
4. KMNZ – アルバム制作(支援総額約800万円以上、継続中)
■3D化・モデルのリニューアル
5. 富士葵 – 3Dモデルリニューアル(支援総額約2,200万円)
6. 斗和キセキ – (現実への)3D化(支援総額約1,475万円)
7. 竹花ノート – 3D化(支援総額約577万円)
■作品制作・デビュー支援等
8. 鳩羽つぐ – 映像制作(支援総額約2,000万円)
9. 東雲めぐ – 絵本制作(支援総額約340万円)
10. 賀茂川ドイル – デビュー支援(支援総額約130万円)
11. スズキセシル – 3Dアバター作成ツール開発(支援総額約158万円)
12. シフィ – アニメ制作(支援総額約180万円以上、継続中)
■CAMPFIREによるVTuber支援プログラムも登場

音楽/ライブ

花譜 – 音楽ライブ

バーチャルシンガー花譜さんの運営チームは2019年5月より、ファーストワンマンライブ「不可解」のクラウドファンディングを実施。最終的に支援者数4,041人、支援総額4,000万円以上を達成しています。当初の目標金額の500万円を大幅に上回る結果となりました。

花譜さんのワンマンライブ「不可解」は、8月1日に恵比寿LIQUIDROOMで開催予定。今回の支援への感謝をテーマにした、カンザキイオリさんによる新曲も制作中とのこと。

本クラウドファンディング開始時、花譜さんの運営チームは“「不可解」は既存VRプラットホームでのライブのアプローチとも違う、花譜さん独自の表現方法を模索している”と説明しています。ライブではどういった表現が行われるのか注目が集まります。

響木アオ – 音楽ライブ

響木アオさんは2018年6月より、全国6ヶ所で開催する「全国LIVEツアープロジェクト」のクラウドファンディングを実施。最終的に支援者数403人、目標金額の500万円を上回る約630万円の支援金が集まりました。

支援金は会場費や交通費、音響機材費などの全国LIVEツアー運営費として活用されるとのこと。LIVEツアーは2018年8月から11月にかけて実施されました。

響木アオさんはYouTubeでの活動をはじめ、店舗イベントやエイベックスとの契約、野外ライブ、そしてドラマの主演など様々な活動を行っています。

Vフェス – 音楽ライブ

ときのそらさん、アズマリムさん、かしこまりさん、天神子兎音さんが参加したVR音楽ライブ「Vフェス」。2018年9月より本ライブの実施に向けて開始されたクラウドファンディング「バーチャル音楽フェス 制作プロジェクト」は、最終的に支援者数506人、支援金は目標金額の500万円の倍近くとなる約950万円を達成しました。支援金は「ライブ会場の装飾や演出をより豪華にするために使用します」とのこと。

参加する4名は高い歌唱力を持つことでも知られており、2019年4月に開催されたライブの当日はカバー曲やオリジナル曲などを披露。ステージ上から観客席までの細かいギミックや、各楽曲と出演者に合わせた演出が施されました。

「Vフェス」のライブレポートはこちらです。

KMNZ – アルバム制作

LITAさんとLIZさんからなるバーチャルガールズデュオKMNZ(ケモノズ)は、現在初のオリジナルアルバム制作に向けたクラウドファンディング「KMNZ 1st ALBUM PROJECT」を実施しています。7月25日時点で400人を超える支援者から、目標金額の500万円を超える800万円以上の支援金が集まっています。

KMNZの初となるアルバムは全収録曲オリジナル楽曲を予定。また、アルバム発売を記念したスペシャルライブ配信も予定されています。リターンとしてKMNZからのお礼メッセージをはじめ、ライブアーカイブ映像、クラウドファンディング限定デザインのTシャツやステッカー、限定アルバムCD(一般販売はデータのみ予定)など、さまざまな特典が用意されています。

3D化・モデルのリニューアル

富士葵 – 3Dモデルリニューアル

富士葵さんの運営チームは、2018年1月よりクラウドファンディング「バーチャルYouTuber『富士葵』をかわいくするプロジェクト」を実施。1,000万円の目標に対し1週間で支援者から800万円以上が集まり、最終的に1,392人の支援者から2,200万円以上の支援金が集まりました。

富士葵さんは2017年12月よりVTuber活動を開始。当時は高い歌唱力を持つものの「モデルさえよければ」といった声も寄せられていたといいます。これを受け、本クラウドファンディングを実施。3Dモデルおよびシステムのバージョンアップにより新たな姿となり、VRライブや地上波ゴールデンタイムへの出演、そして旅行ツアーなど活動の幅を広げています。

斗和キセキ – (現実への)3D化

2019年3月にデビューした斗和キセキさんは4月より、クラウドファンディングインスタをやるために斗和キセキのめちゃくちゃリアルな生首を作りたいを実施。目標金額10万円でスタートしたこのプロジェクトは、開始8分で目標金額を達成。最終的に支援者数3,792人、支援金は約1,475万円を獲得しています。

斗和キセキさんは、背中の三角形が機動戦士ガンダムシリーズのモビルスーツ「アストレイ レッドフレーム改」に似ていることがきっかけに注目を浴び、Twitterのフォロワー数が1日で5万人に到達する珍事件が起きていました。

本クラウドファンディングは、画面内から出られないVTuberであることからファッションやメイクができないため、「自身の頭を模した生首を作れば、マネキンの首と取り替えて服を自由に着せ替えて写真を撮れるのではないか?」といった内容のもの。その企画力やリアクション、話題性に合わせ、面白いものを見たいファンの後押しの結果、規格外の支援金が集まっています。

竹花ノート – 3D化

竹花ノートさんは2019年3月より、自身の3Dモデル化のためのクラウドファンディング「【バ美肉】VTuber竹花ノートママが次元を超えたい!【3D化】」を実施。目標額300万円に対し最終的に支援者数202人、支援総額は約577万円を達成しました。7月に3Dモデル化が実現し、お披露目イベントも開催されました。

竹花ノートさんは、イラストレーターとしてにじさんじ所属の静凛さんや家長むぎさんなどのキャラクターデザインを担当するほか、自らもLive2Dを用いた“バ美肉”(バーチャル美少女受肉)VTuberとして活動を行っています。

竹花ノートさん以外にも、様々なVTuberが3D化のクラウドファンディングを実施しています。これまでに、高槻りつさんが約337万円、花奏かのんさんが約315万、ヨシナさんが約217万円、電波ちゃんが約118万円の資金をクラウドファンディングで獲得しています。

作品制作・デビュー等

鳩羽つぐ – 映像制作

鳩羽つぐさんの運営などを行う株式会社枝の上(Edanoue)は2018年8月より、クラウドファンディング「鳩羽つぐ 夏休み (30分映像)」を実施。最終的に支援者数1,859人、支援総額は目標金額の800万円を大きく超える約2,000万円を達成しています。

本プロジェクトのリターンには、「鳩羽つぐ 夏休み」のダウンロード版/DVD版/VHSテープ版、鳩羽つぐによる絵日記や教科書を音読したカセットテープなどが提供されます。

東雲めぐ – 絵本制作

東雲めぐさんがリスナーと作った物語「はっぴーパトロール♪たくあんマン」の絵本化に向け、運営元のGugenkaが2018年10月より実施したクラウドファンディング「東雲めぐちゃん原案の物語『たくあんマン』絵本化プロジェクト!」は、目標金額100万円に対し支援者数275人、支援総額340万円以上を達成しています。

本プロジェクトにより制作された絵本はたくあんマンの公式サイトから購入可能です。ストレッチゴールも達成しており、絵本読み聞かせイベントが東京・愛知・福岡・宮城で開催されました。

©うたっておんぷっコ♪/©Gugenka®

賀茂川ドイル – デビュー支援

謎解きVTuberの賀茂川ドイルさんは2019年5月より、自身のデビューに関するクラウドファンディングを実施。最終的に支援者数は144人、支援総額は目標金額の150万円に届かず約130万円でしたが、目標金額の達成に関わらず支援されるAll in型のため支援が成立しました。

賀茂川ドイルさんは、VTuberハッカソン2018横須賀にて誕生。動画や生放送で視聴者と謎解きに挑戦していくとしています。Twitterや匿名メッセージサービス「マシュマロ」で謎解きの募集も行っています。

スズキセシル – 3Dアバター作成ツール開発

スズキセシルさんは、自身が開発するPC向け3Dアバター作成ツール「セシル変身アプリ」の、VRプラットフォーム「cluster」への対応機能を強化するためのクラウドファンディングを2019年5月より実施。最終的に支援者数154人、支援総額は目標の100万円に対し約158万円を獲得しています。クラウドファンディングです。

本アプリは、各種用意されたプリセットや操作スライダーを変化させ、アバターのパーツを操作して好みの3Dアバターを作成することができるというもの。クリエイター支援サイト「ファンティア」にて無料でダウンロードできます。

シフィ – アニメ制作

ベイレーンチャンネルで活動するシフィさんは現在、ストーリーアニメプロジェクト「Co-Synapse(シナプス)」のクラウドファンディングを実施しています。目標金額は300万円で、7月25日時点で180人の支援者、180万円以上支援金が集まっています。

本クラウドファンディングは、ベイレーンチャンネルが2019年の5月に「繰り返しが多いコンテンツ」を理由に、チャンネルの収益がつかなくなったことがきっかけ。クラウドファンディングについて「新しいことにチャレンジするなら、今しかないって思ったの!」とコメントしています。

CAMPFIREによるVTuber支援プログラムも登場

個別の事例とは異なりますが、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」は、VTuberの活動を⽀援するクラウドファンディングプログラム「TUBERISE!(チューバライズ)」を開始しています。

プログラムに応募した企画を審査し、通過した企画に対してCAMPFIRE上でクラウドファンディングを実施。さらに株式会社ヒューマックスシネマによる会場協力と、バルス株式会社による3DCG化や技術協力を受けられます。

募集部門はライブパフォーマンス部門、3D化部門、PV/MV上映部門、変わりダネ部門が用意されており、VTuberに関連する活動を行う企業、団体・サークル、個人が応募可能です。プログラム参加者募集締切は8月11日まで。


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