VRHMDを社会に組み込むためには?没入感の分析や産業での応用可能性をまとめた報告書が無料公開

一般財団法人デジタルコンテンツ協会は「VRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)などの没入型映像システムを、どのように社会に組み込むか」といった内容をまとめた戦略策定報告書を公開しました。

本報告書「ヘッドマウントディスプレイを中心とした没入型映像システムに関する戦略策定」は、同協会が設置した「HMD戦略策定委員会」の調査結果をまとめたものとなっており、報告書の掲載ページにて現在閲覧することができます。

同委員会は、没入感の要素などの分析・整理や相関性の検証を行い、その結果を、社会から求められる要件としてまとめました。

また産業分野での応用可能性について、19社に対するヒアリングを行い、VRなどを中心とした没入型映像の普及のためには、HMDの性能・価格改善、利用者の安全確保など、解決すべき課題があることが明らかになったとのこと。

報告書は、下記の全5章の内容に分かれています。各章のサマリも合わせて下記にて紹介します。

第1章 没入感の要素と手段の分析・整理

報告書の第1章では、没入感の要素と手段の分析・整理を行っています。視覚刺激による臨場感や没入感の評価や、産業応用で懸念される視覚上の不快感、また実際には静止しているにも関わらず、視覚情報などによって身体の移動感覚を引き起こし、VR酔いの原因とも言われている現象(ベクション)についての評価指標・事例がまとめられています。

第2章 没入感の要素と手段の相関性の検証

第2章では、第1章で行った没入感に関する分析・整理を踏まえ、実際にVRHMD「Gear VR」をユーザーが使用する形でのテストを行っています。使用したコンテンツや具体的な実験条件を元に、ユーザの視覚や心理についてどのような反応が発生したのか、という知見を得ることを目的とした実験結果が記されています。

第3章 没入型映像の利活用に求められる要件

第3章は、第 1 章・第 2 章の検証結果を踏まえ、「360度動画のような没入型映像を安全かつ快適に活用する」という点から考察を加えることにより、その要件として下記の6つの指針を抽出しています。

 ・ コンテンツ
 ・ 数値的な枠組み
 ・ 評価
 ・ 利用環境
 ・ 個人差
 ・ アプローチとしての枠組み

第4章 産業分野での応用可能性の調査

第4章では、HMDのもたらす没入感がどのような形態・分野での応用に適しているか、特に新たな産業分野の展開が可能かといった観点で、応用展開の可能性についてヒアリングなどの調査を実施しています。

なお、ヒアリング対象としては、VRまたはARを活用している10分野を抽出し、その中から下記の19企業・団体を決定。「没入型映像の新規性に関するコメント」「普及時期に関するコメント」などを中心に、ヒアリング結果が記されています。

第5章 戦略提言

第5章では、第1章から第4章までの調査結果をもとに、VRなど没入型映像システムの産業分野での普及に関して、「中期的なシナリオ策定」などの提言がまとめられています。

なお、本報告書の本編は報告書の掲載ページにて無料で閲覧することができます。

(参考)
「ヘッドマウントディスプレイを中心とした没入型映像システムに関する戦略策定」報告書について
http://www.dcaj.or.jp/news/2017/04/post-44.html


この記事を書いた人

  • 早稲田大学文化構想学部卒業後、日立グループにてグループ全体のビジネスプロセス改善プロジェクトに従事。現在はゲームメディア「もぐらゲームス」編集長 兼 Mogura VR副編集長。
    大学在学中にインディゲームをテーマとした論文を執筆。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。VRとゲームの交わる先が気になります

    Twitter:@poroLogue

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