イギリスのVR事情:VRの盛り上がりを支えるコミュニティ

Mogura VRでは、月1回、イギリスのVRメディアVR focusと日英のVR事情を寄稿しあう取組を開始します。今回はその第1回となります。

Mogura VRからVR Focusに寄稿した記事
VR IN JAPAN: THE WAVE OF VIRTUAL REALITY COMING TO JAPAN
http://vrfocus.com/archives/27212/27212/


バーチャルリアリティー(VR)の、ほとんどは「押し売り」になっています。
業界の誰もが、「VRを理解するためには体験しなければならない、体験すればたちまちどういうことか分かるだろう」と言うのです。なぜ押し売りになっているかというと、主要なVRヘッドマウントディスプレイのほとんどはまだ製品版が発売されておらず手に入れる人が限られているからです。しかし、ここ2,3年でVRは、世界規模の情熱的なコミュニティーができました。、とりわけ、英国では、状況が変わろうとしています。

ゲームのイベントはエンターテインメントに関心がある人々のカレンダーの定番となっており、年々、大規模になってなっています。
そして、Oculus VR、HTC、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のようなVRの企業も、大きなイベント(Electronic Entertainment Expo(E3)、東京ゲームショウ(TGS)、Gamescom など)の常連です。一方、各国では、、専門的なVRコミュニティーなどのより小さなローカルのイベントが盛んに開催されています。

ローカルなイベントは、小さな会場や夕方のパブにて行われる2、3時間といったものから、会議やデモを展示するう丸一日のものまで幅広くあります。こうしたミートアップに参加すると、起こりつつあるVR産業を共に牽引する感覚を味わう事ができます。企業の宣伝がなくても、VRでどういうことが実現できるか発表することで、その輪に参加できるのです。

イギリスの、ニューカッスル・アポン・タイン(イングランド北東部に位置する都市)では、毎年VRTGO VRと、ARの会議と展示会が開催されます。わずか1日のイベントですが、イギリス中の開発者とジャーナリストが集まり、、技術へのアイデアと考えをを語り、共有します。英国にスタジオを置いている、Coatsink Software、CCP Games Newcastle、nDreams といったデベロッパーは、こうしたイベントで最新タイトル(Esper 2EVE: ValkyrieThe Assembly など)を発表しています。

VRTGOは誰もがお互いを知っているような状況です。友人同士が雑談ではなく向かっている将来について語らう同窓会のようなものです。VRが向かっているのは、いや向かうべきは、誰もが行くことができるような場です。

小さなミートアップは、地元のスタジオの最新の成果を共有したいファンと、地元のコミュニティーによって盛り上がっています。主催者の多くは、、Oculus Rift DK2 や、HTC Vine の体験を、まずは体験してもらおうと運営しています。
このような小さく情熱的なイベントはイギリス各地で生まれており、サウサンプトン、ロンドン、ニューカッスルブリストルといった都市で開催されています。

ロンドンのバーで開催されるVRイベントはその例です。2,3ヵ月に1回、、夕方から4、5時間で開催されます。Oculus Rift向けの『Crystal Rift』を作っているPsytec Games、Gear VR向けに『Smash Hit Plunder』を開発したTriangular Pixels、Gear VR向け『Bandit Six: Salvo』を作ったClimax Studiosといったスタジオも参加しています。そして、このようなイベントの最大の利点は、参加が簡単だということです。チケットは安く、仕事や週末のイベントの予定を調整する必要もありません。面倒な仕事の後、会場に集まり、少しのお酒と笑いと共に、「VRの夜」を楽しんでいます。

そして、こうしたコミュニティーの情熱は、VRの成功への鍵となるかもしれません。まだ、VRはお金を生み出す業界とは見られていません。メーカーや開発者は大金を投資していますが、ほとんどは一夜にしてリターンが得られない事はわかっています。

近々、Oculus Riftなどの主要なヘッドマウントディスプレイ(HMD)が店頭に並ぶことになります。その時に、こうしたイベントはなくなってしまい、VRは家で引きこもって楽しむようなソーシャルなつながりのない孤立したものとなってしまうでしょうか。

おそらく、そうはならないでしょう。

実際、ヘッドセットの価格が下がり入手が簡単になっても、こうしたグループは大きな役割を果たすことになるでしょう。イギリス中にある、ミートアップグループの間でVRのスポーツ大会が開催されることも十分にあり得ます。

いまVRに起きつつある革命は、自宅でヘッドマウントディスプレイ(HMD)の原型を作り、一人のアメリカ人の青年から始まったことを忘れてはいけません。イギリスは豊かなビデオゲームの歴史があり、インディーの開発者たちが多くいます。今後、VRの世界でもエンターテインメントの未来を作り出していくことでしょう。

written by Peter Graham, VR focus

この記事を書いた人

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    ゆたか

    フリーのシステムエンジニアです。360°動画を撮影して楽しんでいたところ、Gear VRにも出会い更なる衝撃を感じました。
    これから、あらゆる文化を面白くしそうなVR。最先端で関わりたいと思い参加させていただいています。

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