B級グルメ的VR?誰でも手軽に体験できるVRを目指す「ハコスコ」。ボトムアップのアプローチ

11月7日(土)、東京・御茶ノ水にあるデジタルハリウッド大学にて「VRCカンファレンス2015」が行われました。Oculus RiftやPlayStation VRといったVRヘッドマウントディスプレイの製品版発売を来年上旬に控えている中、ゲーム、映像、広告などの多様な分野でVR取り組んでいるエキスパートがVRの知見を共有する場として開催されました。

今回は、理化学研究所所属の脳科学研究者でもあり、ハコスコを販売する株式会社ハコスコのCEOでもある藤井直敬氏の講演「スマートフォンを用いたVRビジネスの可能性」を紹介します。

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ハコスコ社は、日本でもまだ数少ない、VRをビジネスの中核に置いている企業です。

現在一般向けのVRデバイスとして持ちのスマートフォンに加えて1,000円のデバイスを買えば簡単にVRが体験できるとして「ハコスコ」を販売しています。2016年に発売されるOculus RiftなどのVRデバイスヘッドマウントディスプレイは高価で、一般的に手を出せるものではないと主張。マーケットに対して「スマートフォンさえ持っていればとりあえず楽しめる」ボトムアップでアプローチしていきたいという考えでハコスコを販売しています。

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しかし、VR体験の質としてOculus Riftなどのコンテンツとハコスコのものは100倍も開きはなく、今までVRに触れたことがない人でも楽しめることをハコスコのボトムアップのアプローチに務めています。

デバイス、アプリ、コンテンツがバラバラでは使いにくいため、連携したプラットフォームを構築し新しい価値を創造していくということを目指しています。コンテンツを作る開発者がユーザーにコンテンツを届けるまで、VRに必要なすべての要素をワンストップで提供するとしています。

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デバイスとしてのハコスコは、藤井氏が2014年の2月に藤井氏が30分で作ったものが発端。5月のTEDxTokyo2014でお披露目、7月1日から発売となりました。

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その後、ユーザーのニーズに合わせる形でラインナップを増やしてきました。iPhoneのサイズに合わせてiPhone6、iPhone6+版を発売。また一眼だけでなく二眼のモデルを望む声も上がり、二眼のプラスチック製「ハコスコDX」、段ボール製の「Google Cardboard」(※Googleが公開した設計図に基づいて製造したもの)を発売しました。2015年に入ってからは、折りたたんで簡単に畳んで持ち運べる「タタミ一眼」、「タタミ二眼」。また皮脂が染みないプラスチック製の一眼ハコスコ「プラスコ」も発売しています。

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また、ハコスコ自体をメディアとして使用してもらうというところで、様々なイベントとコラボレーションしたデザインハコスコも数々のものを制作しています。

ポニーキャニオンとの協働で、アーティストのコアなファンとアーティストを繋ぐというビジネスを行っています。ファン向けのコンテンツの良さとして、半年以上経った状態でのアップデートに対して多くのクレームが来るほど、しっかりと見てくれている、といった話を披露。アーティストが目を見てくれるような、自分がそこにいる感覚が得られる360度映像は「長く見てくれるコンテンツ」になるといった発見があったとのことです。

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さらにハコスコでは一般ユーザーもコンテンツを提供できるプラットフォームを作るとして「ハコスコストア」をオープン。手軽な360度カメラRICOH THETA Sにも対応し、スマホからハコスコストアにアップロードし、ハコスコで閲覧といった流れを実現しています。

今後はハコスコストアでコンテンツを有料で配信できるような仕組みも整えているとのことです。

社会的な利用も進んでおり、環境省とのコラボやAED啓蒙計画、津波があった際のシミュレーター、お年寄りに世界一周旅行を体験してもらう取組などが紹介されました。

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また、実験的な取組として複数人で同時接続する体験やVRボードゲーム、また展示ではハウステンボスでのホラーコンテンツ『ナイトメア・ラボ』や熊本現代美術館の『The Mirror』などが紹介されました。

数億円の資金調達をしているわけではないが、企業としても少人数のチームで初年度から黒字を出していることを明らかにし、今後も「(Oculusなどに比べて)ハコスコはB級グルメのような存在です。でも、食べたらちゃんとおいしい、そんなサービスを目指していきたい」と締めくくりました。

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VRを活用したビジネスと言うと、Oculus Riftなどのリッチで高性能なものの普及や、それらを見据えたコンテンツ開発への海外のスタートアップの資金調達事例が目立ちます。しかし、「ハコスコ」は安価にそれなりの体験ができるVRという切り口からボトムアップのアプローチで挑戦を続けています。今後どのような展開を続けていくのか注目したいですね。

藤井氏の講演は以下の動画でもアーカイブされています。詳細を確認したい人はぜひ視聴してみてください。また、VRCカンファレンス2015の全講演はこちらのチャンネルで全て見ることができます。

https://www.youtube.com/watch?v=FOBkI4EFjLk

この記事を書いた人

  • KFtb1VIM

    慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。
    現実を進化させることができるVRに無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。これまでに体験したVRコンテンツは展示、配信合わせて500作品以上。現在ももちろんコンテンツを体験し続けており、VR業界の情報集約と提供、コンサルティングに強みがある。また、海外の主要なVRイベントでは必ず現地に足を運び、取材やネットワーク構築を行っている。2016年は6回渡米。

    Twitter:@tyranusii

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    http://www.moguravr.com/writers/