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活用事例 2017.06.06

「VRクリエイティブアワード2017」最優秀賞はあの作品!来年開催の可能性も言及

6月1日、一般社団法人VRコンソーシアムが主催する「VRクリエイティブアワード2017」が御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにて開催されました。今年で3回目となる「VRクリエイティブアワード2017」には、全128ものVR作品が集まったとのこと。ファイナリスト15作品の中から、商業部門と個人部門それぞれの最優秀賞と優秀賞や、特別賞などが選ばれました。

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また、今回の「VRクリエイティブアワード2017」の審査委員は下記の通りです。

  • 藤井 直敬氏
  • 杉山 知之氏
  • 南條 史生氏
  • 稲見 昌彦氏
  • 水口 哲也氏
  • 落合 陽一氏
  • 八谷 和彦氏
  • 西川 美優氏
  • 近藤 “GOROman” 義仁氏
  • 高宮 慎一氏

最優秀賞

個人部門『Mikulus』

『Mikulus』の制作者は、Oculus Japanの立ち上げや国内のVRコンテンツの盛り上がりに大きく貢献した、“GOROman”こと近藤 義仁氏。初音ミクさんが隣にいるような、そのあまりの実在感から、Mogura VRが昨年開催した「Japan VR Award 2016」でも読者から最多得票を得るなど、人気のVR作品です。VRコンソーシアムの藤井代表理事は「日本のVR界をリードしてきた近藤氏に、(VRクリエイティブアワードが)3年目というキリの良い年に最優秀賞をお渡しすることができ、本当に嬉しい」と話し、近藤氏に最優秀賞を授与しました。

商業部門『VR Real Data Baseball』

株式会社バスキュールの桟 義雄氏が制作した本作品は、様々なバックグラウンドを持つ審査員全員から絶賛されたとのこと。審査委員の西川美優氏(Director of Sales Operation, VIVE Japan)は「ある審査員からは高評価な作品でも他の審査員から低い評価を受けるなどもあったが、『VR Real Data Baseball』は全員の審査員から満場一致という結果だった」とコメントしました。イベント来場者の投票で決まる「一般投票優秀賞」にも選出され、高いエンターテインメント性が多くの人から評価された結果となりました。

優秀賞

個人部門『映画ツクール – Make it Film! -』

『映画ツクール – Make it Film! -』の制作者は、近藤 義仁氏が代表取締役社長を務める株式会社エクシヴィのビジュアルディレクターである室橋 雅人氏です。デジタルハリウッド大学 学長でVRコンソーシアム理事の杉山氏は「全ての映像クリエイターに欲しいツール。実際にやったら『使えるな』、と思った。CG、映画、俳優、監督など、あらゆる人がこれを活用できる」と審査員コメントを残しています。室橋氏は「VRを使って“作る楽しさ”を、皆さんにお手軽に知ってもらいたいと作ったので、それが賞という形になって本当に良かったです」と話しました。

商業部門『男女の本音VR』

『男女の本音VR』はコンドームメーカーのオカモト株式会社の特別サイト「LOVERS研究所」で公開された360度動画のVR作品です。“異性の気持ちを体感できる”をコンセプトに、斬新なUIや男性女性の視点を切り替えられることが特徴。審査員の近藤 義仁氏は「筒井康隆のSF小説『七瀬シリーズ』を思わせる。自分がエスパーになった感覚になれる」「実写系VRの新たな可能性を感じました」とコメントし、本作品を高く評価しました。

特別賞、スポンサー賞

審査員特別賞『不可視彫像/Invisible Sculpture』

現実には何もない台座の上を懐中電灯で照らすと、存在しない作品の影が浮かんでくることで、その存在感を感じながら鑑賞するVRアート。制作したのはフリーランス・メディアアーティストの坪倉 輝明氏です。この作品に賞が与えられない結果は残念だということから、急遽特別賞が設けられるほどで、非常に印象的な作品です。

朝日新聞社賞『日本列島VR』

『日本列島VR』は日本列島を鳥視点で自由に飛びまわれる作品。制作者はVoxcellDesign, Inc.の脇塚 啓氏です。朝日新聞メディアラボの堀江室長は「人間の機能を拡張するVRの魅力を堪能できる」と話し、朝日新聞のコンテンツを『日本列島VR』と組み合わせることでより魅力的なコンテンツになる可能性についても述べました。

VR THEATER賞『博士と万有引力のりんご』

https://www.youtube.com/watch?v=-v-SryoVGgs

フルCGで描かれた、まるで絵本の世界の中へ没入するようなVRアニメーション作品。VR作家のKA0RU(内藤 薫)氏がクラウドファンディングを活用しながら制作したことも、制作当時から話題となりました。ネットカフェを中心にVRサービスを展開するVR THEATERの審査員は、本作品を「映像表現として一番素晴らしかった」と絶賛しました。

来年の開催についても

設立時に2018年までの3ヵ年を活動期間としていると発表したVRコンソーシアムですが、来年のVRクリエイティブアワードの開催の可能性についても言及がありました。藤井代表理事が「人が拡張して、社会が拡張して世界が変わっていく。それを牽引していくような作品が毎年生まれてくるだろうし、その作品がアワードに応募されて、きちんと評価される。そういった仕組みを継続していきたい」と語り、イベントを締めました。

 


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