VRのキラーアプリは何か?Vive中国プレジデントが挙げた4つの可能性

今後10年間で、VRは世界を根本的に変えていくでしょう。医療、教育、社会、トレーニング、映画、ゲームなど、VRには多くのユースケースが現れていますが、未だ決定的なキラーコンテンツがないと感じている業界関係者も多い状況です。

HTCのVive中国プレジデントであるAlvin Wang Graylin氏は、私たちがどのようにそれを見つけ出すかについて重視しています。今回は、米メディアRoad to VRによるGraylin氏へのインタビューを紹介します。

●Graylin氏について

Alvin Wang Graylin氏はHTCのVive・中国プレジデントで、この地域のVive/VR事業のあらゆる側面をリードしています。彼は現在、アジアにおいてVRスタートアップを支援するVive X VRアクセラレータに注力。中華圏での業務を含む15年間を含む、ハイテク業界で22年以上の経営管理経験を有しています。もともとは起業家でもあり、モバイルソーシャル、アドテック、検索、ビッグデータ、およびデジタルメディアをカバーする、モバイルおよびインターネット業界で4つのベンチャー支援スタートアップを設立しました。

VR MMO、ライブストリーミング

ーーVRのキラーアプリにはどんな特徴があると思いますか?

Graylin氏:キラーアプリのコンセプトは、ゲーム専用機向けアプリならばAAAゲーム(Haloなど)、PCでのビジネス向けアプリならば表計算ソフトLotus 123や文書ソフトWord Perfectというように、プラットフォームによってそれぞれ違ってきます。

VRのキラーアプリ、と括ってしまうと、一つのアプリがそうしたユーザーグループの枠を超えることになるため、この分類では適切な表現ではないかもしれません。それは「インターネットのキラーアプリ」が何かを尋ねるようなものです。

今日のVRのコアユーザーは主にゲーマーですが、今後さまざまなカテゴリーでより高品質なコンテンツが出てくれば変わっていくでしょう。

ーーでは、もしあなたがどれか一つを選ぶとすれば、VRのどのカテゴリーから最初のキラーアプリが出てくるのでしょうか?

Graylin:VRには多くの「キラーアプリ」が存在すると信じていますが、多くの人を惹きつけるキラーアプリとして考えられるのは、大きなIPに基づいて構築されたVR MMO(Massively Multiplayer Online、大人数のプレイヤーが同時にアクセスするコンテンツ)でしょう。ハードコアゲームに比べて非常に高いリプレイ性を持っていて、体験・発見型のコンテンツです。

このようなプロジェクトはすでにいくつか存在しており、そのリリースを楽しみにしています。おそらく、最高のVRアプリというのはまさに現実の代替になるものでしょう。

近年の受動的なコンテンツを楽しむ市場と、動画・ユーザー配信の流行を考えると、第2のキラーアプリは360度のライブストリーミングだと思います。

著名人が彼らのライフスタイルをストリーミングするようになるところから始まり、その後、著名人でなくとも人生の特別な瞬間をストリーミングする人たちが増えてきて、やがて日常の様子すらストリーミングするようになるでしょう。

それは今日のFacebookやInstagram、WeChatのようなもので、360度カメラとストリーミング機能が低コストのデバイスに組み込まれると、このユースケースは爆発的に増えていきます。

教育と生産性向上もキラーになりうる

Graylin:より影響力の大きいキラーアプリケーションは、教育カリキュラムに組み込まれるVRコンテンツです。多くの関連技術が関与しているため、牽引力を得るにはもっと時間がかかります。教育業界は一般的に技術の採用が遅いですが、ひとたび起こると、世界・社会全体に大きく長期的な影響を与えます。政府や親が子供の教育に力を入れているアジア圏では、他の国よりも率先して起こりそうです。

VRのもう一つのインパクトのあるユースケースは、(ビジネスにおける)コラボレーションと生産性です。出張や通勤をする必要がなくなったら、どれだけ素晴らしいことでしょうか。それはVRで直に可能になります。これが浸透すると、コスト・時間の節約と生産性の向上により、企業はそれを我先にと採用することになります。企業向けの市場では、消費者向けの市場よりも価格の弾力性が高く、価格への早く起こる可能性があります。

キラーアプリの登場は2018年から2019年の後半にかけて

ーーVRのキラーアプリは、2017年に登場すると思いますか?

Graylin:今挙げたアプリケーションの初期のバージョンは2017年後半から2018年前半にかけて登場する可能性がありますが、実際にキラーコンテンツが出てくるのは、2018年から2019年の後半になると考えています。

タイミングの理由は、市場価格が低下しデバイスが普及する必要があるということと、そして高品質なアプリケーション・コンテンツの開発には時間がかかるということです。

(参考)
Road to VR / On the Hunt for VR’s Killer App with Vive’s China President, Alvin Wang Graylin(英語)
http://www.roadtovr.com/hunt-vrs-killer-app-vives-china-president-alvin-wang-graylin/

 

この記事を書いた人

  • 力触覚を中心としたバーチャルリアリティを専攻する学生。幼少期から趣味でゲーム開発を行い、やがてVRにたどり着く。現在はコンテンツ開発やデバイス開発を勉強中。

    Twitter:@FoltTenor

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