- Noah:
- さてさて、唐突ですが今回から、「VRって何がスゴいの?」と題して、VR初心者のNoahと、Mogura VR編集長のすんくぼ:がVRについて話していく……というコーナーを始めていきたいと思います。よろしくお願いします。
- すんくぼ:
- よろしく。Noahはかなり久々にVRの体験をすることになるんじゃないのかな?
- Noah:
- そうなんだよね。一応、Mogura VRの方向性をどうするかについては関わっているけど、VRの体験という意味ではOculus Rift DK1のジェットコースターで止まっているね。一応、DK2も持ってはいるし、DK2を体験するために高スペックなノートPCも買ったんだけど、あまり使ってなくて……。
- すんくぼ:
- もったいない。
- Noah:
- でも、DK1で体験したジェットコースターは良かったよ。ジェットコースター体験のときは、立って体験していたんだけど、あまりの迫力に立っていられなくなってフラついたからね。あれから1年以上経つのか……。
- すんくぼ:
- もうすでに、DK2も出て1年経つからね。
- Noah:
- DK2も出て久しいなか今更なんだけど、DK2になって、コンテンツの質はどう変わったのかな。画質が上がったんだっけ?
- すんくぼ:
- 画質も上がっているし、映像の滑らかさも上がってるね。あとは、レイテンシー(遅延)など、VRを体験する上で違和感になるような部分が低減されていたり。
- Noah:
- ふむふむ。じゃあ、物は試しということで、一度体験させてもらおうかな。
- すんくぼ:
- そう思って、今日は高性能なデスクトップPCを持ってきたよ。
- Noah:
- これは……デスクトップPCごと持ってきたのか!
- すんくぼ:
- VRをやるときに一番問題になるのが、遅延やカクつきの問題だからね。なるべくハイスペックなPCを使ったほうがいいし、ノートPCだと性能にも限界があるからね。ちなみに今回使用するのは、マウスコンピューターさんの「NEXTGEAR-MICRO im550PA6-SP2」(スペックは後述)です。そのうち、マウスコンピューターさんからは持ち運べるデスクトップPCが出るかもしれない、と言っていたよ。
- Noah:
- では、早速やらせてもらおうかな。何かおすすめのコンテンツはあるのかな?
- すんくぼ:
- 今回は、前にDK1バージョンのジェットコースターコンテンツをやったことがあるということなので、まずは比較のためにまたジェットコースターをやってみようか。「Boursin Sensorium」というソフトなんだけど、これはUnreal Engine4で作られていて、冷蔵庫にわんさかおいてある野菜や果物の中をジェットコースターで駆け抜けるというコンテンツだ。
- Noah:
- では早速。(DK2を付けて)始まった。おお、これは……。おお……やっぱりこの、足のふわふわした感じはすごいよね。実際は座ってるだけなのに、ジェットコースターに実際に座ってるような……あ、落ちる、うわーこれは怖い!これ怖いんだよ、いつも。ジェットコースター本当に苦手だから。(後ろを振り返って)あ、ちゃんと後ろもあるね。これは野菜を題材にしたジェットコースターなので地形が野菜だけど、それでも没入感があるのはすごいね。(最後のジェットコースターが落ちる場面で)うわあああああ。(外して)やっぱりジェットコースターものは鉄板かもね。高いところから落ちる恐怖感に加えて、疾走感がある。老人とかやったら、心臓麻痺を起こすよこれは。
- すんくぼ:
- ジェットコースターは受けがいいからね。他にも面白いコンテンツはあるけど、DK2から1年経って、今はVRの「過渡期」と言ってもいいと思う。ちょうど製品版のVRコンテンツがどんどん発表されてくるからね。
- Noah:
- 製品版というのは?
- すんくぼ:
- 去年の9月から、Crescent Bayという、Oculus Riftの製品版のプロトタイプが出ていて、イベントではすでに展示されているんだ。そして、来年の第1四半期にはようやく開発者向けではなく製品版のOculus Riftが出荷されるんだよね。それに向けて、各国のVR開発者が続々とコンテンツを用意している状況にあるよ。
- Noah:
- 製品版のほうが、もっとすごいし、今はみんな製品版向けに開発をしているよ、と。
- すんくぼ:
- そうそう。
- Noah:
- 製品版のコンテンツを、今DK2で体験することはできないのかな?
- すんくぼ:
- DK2では、製品版のコンテンツのデモ版のようなものが体験出来る場合はあるね。
- Noah:
- そういうコンテンツは何が変わっているのかな。VRで言われる、没入感がより増しているとか?
- すんくぼ:
- そうだね。ちなみに、最近は「没入感」という言葉を使わないようになってきているね。
- Noah:
- そうなのか!
- すんくぼ:
- プレゼンス、つまり「実在感」という言葉に置き換わってきている。つまり、自分がVRの世界の中に「入る」のではなくて、VRの世界の中に「いる」という感覚が重要、という意味だね。現実はもうそこに残らない、と。
- Noah:
- なるほど。
- すんくぼ:
- 他にVRの課題としては、液晶のツブツブ、網目のような見た目が気になってどうしても「画面を見ている」という感覚が残ってしまう、というのもあるね。これは、次世代のCrescent Bayではかなり改善されている。画質が2K相当になるからね。
- Noah:
- 2Kというのはどれぐらいすごいの?
- すんくぼ:
- 画質のキメの細かさを表す解像度だね。DK1では両目で1280×720だったのが、DK2では1920×1080のフルHD画質。これが、Crescent Bayでは2K相当になっていると言われている。製品版は2160×1200になると発表されているよ。今あるいわゆる「4Kテレビ」の4Kはその上の解像度だね。今はDK2に入っている液晶パネルは1枚なんだけど、Crescent Bayでは両目分の2枚に分かれるので、より見えやすくなる。
- Noah:
- 解像度が上がることで、液晶を見ていても網目に見えるような問題が軽減して、より「実在感」が向上するわけだね。うーん、ということは、今は製品版に向けて、DK2でその片鱗を少しでも楽しんだり、今のVRの現状を確認しておくのがよさそうだね。
- すんくぼ:
- そういうことになるかな。よりプレゼンスの高い体験をするのであれば、Crescent Bayをどこかで体験しに行くのがベストではある。
- Noah:
- ちなみに、今まではハードの話だったけど、つぎはソフト面での話も聞いておきたい。これまでのVRコンテンツのレベルは、どういう面で上がってきているの?
- すんくぼ:
- まず、さっき言ったようにOculus Rift自体の画質も良くなってきているから、ソフトウェア面でも、グラフィックの質の良いコンテンツが主流になっているね。開発側でもよりリアルな描写を作りこんできている、という印象があるよ。それから、VRソフトの中にはより「ストーリー性」を重視しているものもある。
- Noah:
- ストーリー性。
- すんくぼ:
- VRを活かした表現というのを考える中で、特に海外のコンテンツでよく見られるね。VRの世界はこれまでのコンテンツと違って、360度見渡せる中で、どのようにその空間を使っていくか、というのも工夫が凝らされているね。
- Noah:
- なるほど。
- すんくぼ:
- じゃあ、次にやってもらいたいのはこれかな。「Colosse: A Story in Virtual Reality」という作品で、360度を見回すVRでいかに体験だけでストーリーを伝えるかをテーマにしているもの。今年上旬に開催された世界レベルのVR作品コンテスト「Oculus Mobile Game Jam」でノンゲーム部門で第2位の金賞に輝いているんだ。
- Noah:
- (見ながら)おお。後ろから怪物が迫ってくる!なるほど、たしかにこれはリアルを描写する、というよりは、インディーゲーム風に魅せる感じになっている。これはこれで、引き込まれるね。ちゃんと後ろも見させるように、登場人物の目線の先を追わせるように誘導されているね。(外して)360度全方位に見どころがあるコンテンツだと、一度で360度全部みるわけにはいかないから、毎回違う角度から見たりして、何度見ても新たな発見があるというのはいいね。
- すんくぼ:
- 今はこういう感じで、ソフト開発にもさまざまな幅が出てきている状況だね。他にも『Showdown VR Demo』や『GE Neuro』なんかも最近リリースされたもので非常にオススメだよ。
近未来SFチックな市街戦のどまんなかを突き抜ける『Showdown VR Demo』
美しくグラフィカルに描かれた脳内を探検する『GE Neuro』
- Noah:
- VRを体験したい側にとっては、どれを体験していったらいいの?というのが簡単にまとめてあるページがあるといいんだよね……まあ、そういうのを用意するのも、Mogura VRの仕事の一つかもしれないね。
- すんくぼ:
- まあ、そうだね。
- Noah:
- 今回はDK2のお話ということで、いくつかのコンテンツを体験させてもらってけど、今でも十分「没入感」はあるね。けど、さらに「実在感」を追求したコンテンツが出てくるというのは、今から製品版が楽しみだ。
- すんくぼ:
- 今まさに開催中の、東京ゲームショウでOculus RiftやPlayStaiton VR(コードネーム:Project Morpheus)など最新のVRが体験できるはず。いずれも整理券方式なので開場とともにブースにいくことをおすすめするよ。
注目の『サマーレッスン』。
- Noah:
- あぁ、『サマーレッスン』とかは知ってる。楽しみにしてるよ。他にも楽しそうなコンテンツがでるのかな?
- すんくぼ:
- Oculus Rift、Project Morpheus、両方に対応しているスペースSTG『EVE:Valkylie』とかかな。VRでこれまで感じることもあった「違和感」が全くないし、酔ったりもしない快適さ。あとは楽しむだけ。そんなシューティングだった。
- Noah:
- ほうほう。色々出るみたいだし、東京ゲームショウに行ってこようかな……
- すんくぼ:
- では次回のこのコーナーでは、東京ゲームショウに行ってみて体験レポートのようなものができるといいね。
- Noah:
- そうだね。あとは、ハコスコやGear VRといったようなVR体験にも興味があるので、そのへんも掘っていけるといいね。ではまた次回!
※体験に使用したPC
ブランド名:G-Tune
PC型番:NEXTGEAR-MICRO im550PA6-SP2
スペック:
■OS : Windows® 7 Home Premium 64ビット
■CPU : インテル® Core™ i7-4790K プロセッサー
(4コア/4.00GHz/TB時最大4.40GHz/8MB スマートキャッシュ/HT対応)
■グラフィックス : AMD Radeon™ R9 Fury X(4GB)
■メモリ : 16GB PC3-12800 (8GB×2/デュアルチャネル)
■ハードディスク : 2TB SerialATAIII 7200rpm
■SSD:240GB Kingston V300 シリーズ (6Gb/s対応)
■チップセット : インテル® H81 Express
■電源 : 1200W 【80PLUS® GOLD】
■保証期間 : 1年間無償保証・24時間×365日電話サポート