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ゲーム・アプリ 2017.08.02

キーワードは「VRで創る」 セカンドライフの開発企業がソーシャルVRサービスβ版をスタート

セカンドライフを開発したリンデン・ラボによるソーシャルVRプラットフォーム『Sansar』のベータ版が登場しました。同サービスはこれまでクローズドテスト中で開発を行なっていましたが、今回クリエイターベータ版として一般公開しました。VRの中でコミュニケーションをとる“ソーシャルVR”はすでに複数のサービスがありますが、「創る」という新しいアプローチからサービスを展開する予定です。

『Sansar』とは

『Sansar』はソーシャルVRプラットフォームであり、バーチャル空間で他者とコミュニケーションできますが、特徴として、ユーザーはバーチャル空間で木や建物、石や動物などのオブジェクトを自由に配置して、バーチャル空間を「創る」ことに主眼を置いています。

https://www.youtube.com/watch?v=-tdkW64u3YA

『Facebook Spaces』などの他のソーシャルVRは、バーチャル空間での他者とのコミュニケーションに主眼を置いていますが、『Sansar』では初心者からプロのクリエイターまで、独自のバーチャル世界を創るためのプラットフォームを提供するという点で、新しいアプローチといえます。

独自のバーチャル世界を作るプラットフォーム

今回発表されたクリエイターベータ版では『Atlas』という機能があります。この『Atlas』は、すでに完成したバーチャル世界のコレクションで、その多くはベータテスト中にクリエイターが製作した作品です。マルチプレイゲームや史跡、映画館、美術館、森林、近未来的なラウンジなど、数百種類もの様々な世界が用意されています。

また、これらの世界に自分でオブジェクトを加えて独自の世界を作ることも可能で、オブジェクトは『Sansar Store』にて購入できます。ここには様々な種類のアバターのパーツや家具、多種多様な植物や動物、建物の3Dモデルが購入可能で、バーチャル空間にドラッグ・アンド・ドロップで配置することができます。

さらに進んだクリエイター向けの機能として、3Dモデリングツールで自作したオブジェクトを『Sansar』内に読み込んで配置できる機能も今後追加する予定です。

バーチャル空間で収益モデルは構築可能か

リンデン・ラボは現在、『Sansar』内で体験できるコンテンツや、特定の場所に入る際に入場料を設けることを検討。バーチャルオブジェクトにお金を払って所有する、といったコンテンツを売買する機能も検討しています。

現在使用できるクリエイターベータ版では、一人がホストするバーチャル世界に35人のユーザーが同時に参加できますが、リンデン・ラボは今後、無制限の人数が参加できるようにアップデートする予定です。

『Sansar』ベータ版では無料で3つのコンテンツを展開することが可能です。有料サービスも提供しており、月10ドルの料金で5つ以上のコンテンツを展開することが可能で、展開するコンテンツの数に応じて課金額が異なります。

コンテンツの体験や様々なバーチャル世界への訪問は基本的には無料ですが、将来的にはコンテンツの購入、レンタルや有料アクセスも可能になるとのことです。

『Sansar』はHTC Vive、Oculus Rift、Windows PCでの操作に対応しており、同社のウェブサイトから登録してプレイできます。

注目分野ながら新陳代謝の始まったソーシャルVR

かつてセカンドライフを創設したフィリップ・ローズデール氏は、独自のソーシャルVRサービス『High Fidelity』を展開中です。

ソーシャルVRは、注目を集める分野である一方、先日『AltspaceVR』が早くもサービスを閉鎖しました。動きの激しい領域なだけに、動向に注目したいところです。

(参考)
Road to VR / ‘Second Life’ Successor ‘Sansar’ Launches Open Beta Today, Pricing Revealed(英語)
https://www.roadtovr.com/second-life-successor-sansar-launches-open-beta-today-pricing-revealed/

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