ボストン大学のJoseph Nugent教授と彼が率いるボストン大学の学生で構成されるチームは『ユリシーズ』のVRコンテンツ『Joycestick』を制作しました。
『ユリシーズ』はアイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスが執筆し、1922年に出版された小説で、20世紀を代表する小説とも言われています。ダブリンのとある1日に起きた出来事を様々な視点から描いたもの。
Joycestickの世界観
『Joycestick』で再現されているのは、小説の舞台である1904年6月16日のアイルランドの首都・ダブリン。プレイヤーはその1日を描いた小説の世界を体験します。
ゲームの中では、小説の雰囲気を体感できるだけでなく、小説に登場したレモン石鹸やクリケットボール・テレグラムなどに触れることができ、そのオブジェクトの説明がナレーションで流れます。
制作チームは実際の小説の世界観に限りなく近づけるため、『ユリシーズ』を繰り返し読み、実際に小説の舞台であるダブリンを訪れて調査をしたとのこと。
教育ツールとしてのVR
Joseph Nugent教授は「JoycestickはただのVRゲームではありません。Joycestickでは小説の世界を体験し、感情を得ることで学ぶことができるコンテンツです」と語ります。
VRを教育に応用する機会は増えています。Joycestickは小説の世界を体験し理解できるという新たな教育手段としてのVRの役割を紹介してくれるものではないでしょうか。
また、開発チームの学生も、どの視点からストーリーを語るべきか、ゲーム内のプレーヤーの役割とはなにか、それぞれの文章が語る意図とはなにかなど様々な問題を解決しながら、Joycestickの開発を通して大きく成長したといいます。
開発チームの学生の一人Emaad Aliさんは『Joycestick』がもたらすVRの可能性について述べています。
「JoycestickはVRという技術が学校という教育現場の中で、そして外で、どのようなイノベーションを将来もたらしてくれるかを教えてくれます」。
(参考)
Boston Students Are Turning Classic Novel Ulysses Into A VR Experience https://uploadvr.com/boston-students-turning-classic-novel-ulysses-vr-experience/ (英語)
ボストン大学公式ページ ボストン大学ニュース https://www.bc.edu/bc-web/bcnews/humanities/literature/joycestick-ulysses-nugent.html (英語)