効果はモルヒネ並とも VRで患者の痛みや不安を低減するための臨床研究が進行中

VRの医療分野への応用は過去30年以上にわたり研究されています。VRは70%以上の痛みを低減するのに役立ち、いくつかの研究ではモルヒネを使用するのと同じくらいの効果が現れるとしています。しかし、かつてはVR機器の価格が高く、費用対効果が低いとして普及していませんでした。近年、コンシューマ向けVR機器が多くなってきている中で、医療系のVRスタートアップAppliedVRは患者の痛みや不安を低減するためのVRコンテンツを作成し、臨床研究を行っています。

AppliedVRのプレジデントであるJosh Sackman氏と米メディアRoad to VRの記者は2016年5月にExperiental Technology Conferenceで話す機会がありました。そのときは、VRが患者に良い影響を与えられるか、VRによって患者は人とのつながりを感じることができるか、喜び、自立心を患者の意識に作り出せるかといた話題について話があったとのこと。また、将来的にはVR体験にバイオメトリックフィードバック(心拍など)を使用することも考えていた模様です。

AppliedVRはVRで瞑想ができるアプリケーションを制作しました。静的なVRコンテンツですが、退屈しないように作られています。このコンテンツでは、日光の辺り具合を変更できます。これは、Google Earth VRの録画されたアニメーションのシーケンス上で動的に光を変更できる機能と似ています。

また、AppliedVRはヒーリング音楽とガイド付の瞑想によって自分がコンテンツをどのぐらい進めているかが分かるようになっています。

https://www.youtube.com/watch?v=FngMOpI0qTo

VRの医療分野への応用は、保険料の削減も期待されています。VRを使うことで痛みや不安な感覚が抑えられれば、それらのために使用していた薬の量を減らしたり、病院にかかる期間を減らすことができます。従って、保険会社の病院へ支払う金額を削減することができます。保険全体で考えれば患者の医療費の削減につながり、これもまた、患者のためになるといえます。

2016年6月にAppliedVRはロサンゼルスにある医療施設「Cedars-Sinai Medical Center」のいくつかの部門で使用していると発表しました。

https://www.youtube.com/watch?v=Vu9iS9HguF0

コンシューマ向けVR機器の発展によって医療分野でもVRの活用例が増えてきており、今後はより大規模な臨床研究や実用化が期待されます。

(参考)

Managing Pain & Anxiety in Hospitals with AppliedVR – (英語)

http://www.roadtovr.com/managing-pain-anxiety-hospitals-appliedvr/

AppliedVR – (英語)

http://appliedvr.io/

※Mogura VR は、Road to VRとパートナーシップを結んでいます。

この記事を書いた人

  • あつぽん

    日本でMRシステムの開発に携わった後アメリカへ渡り、VR/MRシステムを企業へ導入するための検討・開発に従事。現在は日本在住。

    人間の能力そのものを拡張させるテクノロジー「ヒューマンオーグメンテーション」のコンセプトに惹かれ、その界隈の動向に強い関心を持っています。その中で実用化フェーズにあるVR/MRの盛り上がりをより広い範囲へわかりやすく伝えていきたいと思っています。

    Twitter:@atupon

    Blog:http://nybiboroku.info/

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