【TGS2017】物語の主人公は自分 VRマンガ体験『FullDive MANGA』

9月21日から千葉・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2017(TGS2017)では、「VR×マンガ」をコンセプトとした読書体験『FullDive MANGA: 夢の相談所』のデモ版がMyDearest株式会社のブースで展示されました。

https://www.youtube.com/watch?v=EzoAhBLzJKQ

本コンテンツは「VR内でマンガを読めるビューワー」ではなく、「VRの中でマンガを体験する」といったもの。開発を行うMyDearest株式会社は、「読者を物語の世界観に完全に溶け込ませ、読者自身が『物語の主人公』であるように感じてしまうほどの体験を可能とするVR」としています。

本作のストーリーは、悪夢にうなされる無邪気な少女「ミキちゃん」に、ある日1枚の不思議なチラシが届くところから始まります。彼女がチラシを持って向かった先は夢の中。そこには夢が大好物のバクが営む「夢の相談所」がありました。彼女はのんびりやのバク「ノッテ(cv.花江夏樹)」と出会う……というものです。

本タイトルはフルボイス収録、かつ悠木碧さん・花江夏樹さんといった豪華声優陣を起用しています。また一部モードではVR映像作品『博士と万有引力のりんご』で知られるKA0RU氏が制作に参画しており、そちらのモードではよりシネマティックなマンガ表現を楽しむことも可能です。

筆者もTGS2017のブースで『FullDive MANGA: 夢の相談所』を体験しました。Gear VRとヘッドホンを装着しての体験です。本コンテンツには絵本モードとマンガモードの2つのモードがあり、筆者は「絵本モード」を選択。こちらは3Dのキャラクターが絵本風の背景の中に登場するモードです。

体験はまず絵本のようなタッチで描かれた空間からスタート。360度全方位がファンシーな世界で満たされています。やがてミキちゃんは眠りに落ち、夢の世界へ。夢の相談所で出会ったノッテのデザイン・3Dモデルは中性的で、ふわっとした優しさと大らかさを感じさせてくれました。ノッテのモーションがゆっくりめで、視聴者を急かさないことも理由のひとつでしょうか。全身から癒し系のオーラが出ています。

その後は2Dのマンガ表現にエフェクトやモーションなどを加えたものを体験し、ノッテと相談所の床の穴からさらに深い夢の方へと落ちてゆくところで終了です。マンガ表現は2Dですが、台詞やキャラクターのフェードイン・フェードアウト、エフェクトの動き等で十分に楽しむことができました。

今回はデモ版ゆえに体験はおよそ7分ほどと短めでしたが、製品版では約30分の体験になるとのこと。マンガと映像表現をVRで融合させた本コンテンツが、最終的にどのような形になるのか楽しみです。

 

体験者の男女比率は半々、いかにストーリーを伝えるか追及

今までの経験から、VR体験系のブースは男性比率が多めになりがち……という印象を抱いていたのですが、『FullDive MANGA』の出展ブースは女性比率も高いように感じました。本作の開発を行っているMyDearest株式会社の代表取締役CEO・岸上健人氏に訊いてみたところ、「男女比はだいたい半々くらいですね。今年7月にロサンゼルスで開催されたAnime Expo 2017にも、VR×ライトノベルがコンセプトの『FullDive novel』を出展したのですが、そのときも女性の方が多数体験に来てくださっていました」とのこと。

また、筆者の「VRはゲームタイトルが多数リリースされているが、なぜノベルやマンガを?」という質問に、岸上氏は「ハイエンドでド派手なVRゲーム以外のニーズが結構あると考えています。VRのゲームはどうしてもストーリーが伝えにくく感じるのですが、マンガやノベルであればそこを意識しやすい、伝えやすい。ストーリーをいかに伝えるかを追求しています」と、熱い眼差しで語りました。

 

ノベルはツールとして配布も視野、マンガはサスペンスものも……?

『FullDive novel』や『FullDive MANGA』の今後の展開について尋ねてみたところ、「できればノベルはもっと型を作って、ツールとして配りたいと考えています。UI/UXをいかに固めていくかが難しいところですが……今はこの分野を開拓して、とにかく面白いものを作っていきたいです。マンガの方だと、今回の『夢の相談所』はハートフルな感じの作品ですが、今度はサスペンスものを作ってみたいですね」との返答が。今後の動向にも注目です。

本作『FullDive MANGA: 夢の相談所』は2017年秋発売予定です。

(関連リンク)
・物語の世界へダイブ VRライトノベル配信開始
・読者自身が“物語の主人公”になる「VRマンガ」 東京ゲームショウに展示
・MyDearest株式会社

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この記事を書いた人

  • あちらとこちらを往復する。某ゲーム系の制作会社でプランナー・進行管理・その他もろもろを経てMoguraに合流。現在は記事執筆や編集、取材などを担当。デジタルゲームやVR/AR/MRにおける物語体験や、フィクション/プレゼンスのありかたに興味。ゲーミングコミュニティ「ポ」の管理者のひとり、という側面も。 Twitter:@mizuharayuki

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