米国の大手VRメディアがVRへの3つに懸念に反論。「失敗した3Dテレビ、バーチャルボーイとは違う」

※本記事は、パートナーメディアであるRoad to VRの記事を要約したものになります。

消費者向けVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)の発売も近づき、今後のどれほど広がっていくのか期待されるVR業界ですが、この流れは失敗すると主張している人もいます。その主張であるVRHMDへの懸念と、それらが何故間違っているのかまとめてみました。

「VRはこれまで失敗してきた」という主張

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この主張をする人々は、80年代90年代のVRが話題になった時期があったことを覚えている人々です。これには2つの観点から反論できます。

まず第一に、80年代90年代のVRは失敗していないのではないか、という事です。価格やエンターテイメントという点において、消費者に普及する事はありませんでした。しかし、消費者市場以外の分野で、研究やシミュレーションのため、多くの工業業界のツールとして、非常に重要な役割を果たしています。

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2点目に、この主張はその世代のVRと今日のVRを同一のものとみなしています。例えば、任天堂が1995年に発売したバーチャルボーイは、失敗に終わった有名なコンソールです。ヘッドトラッキングが無い事に加え、視野も狭く、直感的な動作を読み込めませんでした。このヘッドセットが今日のVRと同等の性能を持っていたとしても、コストが高い上、重すぎて消費者市場に出てくる事は出来ませんでした。現在のIT業界は25年以上の時を経て、高いフレームレートでフォトグラフィックな映像をリアルタイムでレンダリングできるなど、かなりの進化を遂げています。当時そのようなものは存在していませんでした。

「3Dテレビは失敗した。だから、3DのVRも失敗する」という主張

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この主張を展開する人々は、3Dテレビが失敗した理由として、「人々がエンターテイメントを楽しむ時に、何も身に着けてたくないから」であると考えています。そのため、3DTV用のゴーグルに比べて、VRのヘッドセットの方が重いため、VRは失敗するという予測をしています。この考えに関していえば、ミュージックプレイヤーを例にすると、はっきりと覆す事ができます。大きなヘッドフォンが人気になっている事を考えれば、サイズが制限になっているとは言えません。VRヘッドセットが提供する体験が十分に良いものならば、喜んで身に着けてくれるという事です。3DTVは、結局のところ、フレームのサイズに影響されてしまいます。画面中央のオブジェクトは浮いているように見えますが、フレームの内側に制限されてしまいます。VRでは画面のフレームを取り除く事が出来ます。私達はどの視点からも、オブジェクトが立体的に見えている世界の中に入る事が出来ます。

ユーザーがジェスチャー入力が魅力的だと思えなかったから、Kinectは失敗した。VRにも同じ問題が残っているという主張

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頭を回すために腕を振る、タンクのハッチを開けるといった細やかな動作は、反応が鈍く、kinectでは正確なトラッキングができないため、不可能です。ジェスチャー入力は抽象的なものです。現在ある優れたVRシステムの多くでは、ジェスチャー入力は使われていません。正確で遅延の少ない機器を使い、あらゆる動きが直感的にできるようになっています。
image03Oculus Rift 用モーションコントローラーの「Oculus Touch」。ヘッドセットをトラッキングしているカメラで、正確にコントローラーの位置を捉えます。

また、この主張をする人々は、HTC ViveのようなルームスケールでのVR体験をする場合、そのためのスペースをわざわざ開ける人がいないと主張しています。しかし、テレビが発明される前は誰もテレビを置いていなかった事を考えれば、VR体験が良いものであれば、人々は喜んでそのスペースを開けるようになるかもしれません。


今回は、VRに対する懸念へのRoad to VRの見解をまとめてみました。VRはこれまでと全く新しいメディアであり、体験です。こうした反論は楽観的に見えるかもしれませんが、技術の進歩によって懸念そのものがなくなることもあるかもしれません。

Mogura VRでは、今後も、VRへの懸念と向き合うような情報も掲載していく予定です。
皆さんのVRへの懸念、また本記事へのご意見もお待ちしています。

(参考)
Road to VR/The 3 Most Common Arguments Against VR and Why They’re Wrong
http://www.roadtovr.com/the-3-most-common-arguments-against-vr-and-why-theyre-wrong/

※アメリカのVR専門メディアRoad to VR はMogura VRのパートナーシップ・メディアです。

この記事を書いた人

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    先端技術好きなデザイナー。VRでは、MVコンセプトアート制作や360度カメラを使用した企画に関わる。多摩美術大中退、CI開発から書籍装丁等の様々なデザイン業務に従事。 THETA LOVERだゾ。

    Twitter:@sayamecci

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