世界初の頭部移植手術でVRを活用へ

11月18日、「Royal College of Physicians and Surgeons of Glasgow」で行われた会議で、世界初の頭部移植手術を行おうとしているSergio Canavero氏は、新しい身体への適応をより円滑にするためのVRシステムを発表しました。

神経外科医であるSergio Canavero氏は、世界初となる頭部移植手術を2017年に予定しています。首から下が麻痺している患者が頭部移植手術を受ければ、再び歩くことができます。しかし、手術が成功したとしても、首から下は他人の体になるため、予期せぬ心理的な副作用が予想されます。

手術予定の患者はVRを用いて事前に数カ月ほどの準備を行うとしています。このためのVRシステムは、米国の「Inventum Bioengineering Technologies」が開発したとのことですが、詳細はなく、HTC Viveやハーネスによるシステムの写真が公開されたのみでした。

Canavero氏は会議で以下のように述べています。「患者のためにできる限り最善の方法を尽くし、新しい体と共に再び歩けるようになる世界への準備をしたい。」

現在、車椅子で生活しているロシア人のValery Spiridonov氏は、遺伝的な筋消耗の病気に苦しめられています。そこで、この初めてとなる頭部移植手術の患者になることを申し出ました。手術は、患者の頭部を凍結している間に、動脈や静脈をドナーの体とつなげます。脊髄をつなぎ合わせたあと、頭部を解凍し、皮膚をつなぎ合わせます。

これまで、Canavero氏は中国の研究者と共同でサルの頭部移植手術を行い、サルの血管をつなぎ合わせ、術後も脳への損傷なく生存したとしています。しかし、サルは20時間生存しましたが、脊髄はつなぎ合わせておらず、体は麻痺していたと考えられます。

今回の発表では、VRシステムについて詳細な発表がなかったため、準備の状況と合わせて続報が待たれます。

(参考)

VR Will Help World’s First Head Transplant Patient Prepare For New Body – (英語)

http://vrscout.com/news/vr-help-worlds-first-head-transplant-patient-prepare-new-body/

※Mogura VR は、VR Scoutとパートナーシップを結んでいます。

Mogura VR編集部では、ライター・編集者を募集しています!

関連するキーワード: HTC Vive中国

この記事を書いた人

  • あつぽん

    日本でMRシステムの開発に携わった後アメリカへ渡り、VR/MRシステムを企業へ導入するための検討・開発に従事。現在は日本在住。

    人間の能力そのものを拡張させるテクノロジー「ヒューマンオーグメンテーション」のコンセプトに惹かれ、その界隈の動向に強い関心を持っています。その中で実用化フェーズにあるVR/MRの盛り上がりをより広い範囲へわかりやすく伝えていきたいと思っています。

    Twitter:@atupon

    Blog:http://nybiboroku.info/