VRやARで魔法のような体験を子供と一緒に『マジカリアル展』


VRを常設で体験できるアーケード施設が、2016年から増えています。その多くは13歳以下が体験できないと年齢制限があるため、興味や関心があっても子供と一緒に楽しめないためファミリー層には遊びに行きづらいものです。

VRやARといった技術を子供にも体験してもらい興味を持ってもらおうという企画が埼玉・SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ映像ミュージアムで行われています。

同ミュージアムでは、2017年9月16日から2018年3月11日まで、埼玉県が主催の映像ミュージカル企画展『マジカリアル~VR・ARが作り出す不思議体験~(以下マジカリアル展)』が開催中です。

映像制作の歴史や方法を学べる施設の企画展らしく、ゾンビを撃つようなVRゲームを体験させるのではなく、現在の最新のVR/ARの状況を学べるような展示となっています。

展示内容

『博士と万有引力のりんご』

博士と万有引力のりんご』はGear VRとハコスコで体験する360度VR絵本です。VRゴーグルは作品のイメージに装飾されています。

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ある日、木になった美しいリンゴに恋をしてしまい、手に入れたいと願う博士の物語。万有引力発見のきっかけになったエピソードにインスパイアされて制作された独特の絵柄の3DCG作品です。

美しいリンゴと博士がどうなるのか?約9分間の物語を前後左右、上下を見回しながら楽しむ体験です。

KA0RU氏が制作し、「VRクリエイティブアワード2017」VR THEATER賞を受賞した作品です。

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『Metamorphosis Hand – えくす手 -』

https://www.youtube.com/watch?v=8N4YHTvkZ24

『Metamorphosis Hand – えくす手 -』は、プロジェクターでピアノの鍵盤が投影されている机の下に自分の手を入れることで体験できます。

机の下に手を入れると不思議なことに、鍵盤上に自分の手が現れてピアノを弾き始めますが、突然指が20cm以上も伸びたり、手の数が増えたりと驚きの現象を目にします。

映像上指が伸びても、実際の自分の指の長さは変わりません。しかし、指が長くなったような、3本目4本目の手も自分の手のような気分になります。

体験動画

東京大学大学院学際情報学府 廣瀬・谷川・鳴海研究室 小川奈美氏(現・NTTコミュニケーション科学基礎研究所人間情報研究部・感覚表現研究グループ)が制作。普段はあまり意識しない「自分の身体」という認識がいかに簡単に揺らぐのかを実感できる展示です。

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『The Little Mermaid』

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海外出版社のBooks & Magicが制作した『The Little Mermaid』は人魚姫のお話を、タブレットをかざすことで、立体的に映像が浮かびゲームで楽しみながら読むことのできる絵本です。

日本ではまだ未発売(2017年10月現在)のため全ページ英語で書かれ読むことは難しいですが、ARを使ったゲームは楽しめます。

タブレットを絵本のイラスト部分にかざすと、花が出現したり、船のイラストにかざすと波が揺れカモメが飛び交う船が現れます。タブレットを持ったまま、回り込んだり近づいて見ることもできます。

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近づくと甲板にいる人の動きまで良く見えます。

アイコンを動かしてアイテムに重ねることで手に入れたり、人魚を操作してハートを取るなど、ミッションをクリアしていくゲームです。

絵本に描かれた絵が立体的に現れ、波の音や大砲の音、鳥の鳴き声なども聞こえる子供が夢中になるゲームとなっています。

https://www.youtube.com/watch?v=-b21WzXCgOg

『変幻灯』、『立体灯』

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『変幻灯』はNTTコミュニケーション科学基礎研究所が制作した、プロジェクターから光のパターンを絵に投影すことで、止まった絵が、まるで動いているように見える作品です。

眼の錯覚を利用し、モナリザが動いているように見えます。

体験動画

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『立体灯』は『変幻灯』の技術に加えて運動視差による奥行き知覚を取り入れた立体視手法の「Wiggle Stereoscopy」を組み合わせ、普通の絵がまるで3DCGのように奥行きがあるようにゆらゆらと揺れながら立体的に見える作品です。

『えくす手』の小川奈美氏と東京大学大学院学際情報学府 廣瀬・谷川・鳴海研究室 茂山丈太郎氏が制作しました。

体験動画

公式動画はこちら

両方とも映像で見るより、自分自身の目で見る方が驚きを感じられる作品です。

『光学迷彩』

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『光学迷彩』は、『攻殻機動隊』に出てくる、透明に見える技術を東京大学先端科学技術研究センター 稲見・檜山研究室が再現したものです。

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コートを被ると、肉眼では普通のコートを着たように見えますが、レンズを通して見るとまさに『攻殻機動隊』に登場するように背景が透過して見える不思議なコートです。

体験動画

ウロボロスのトーチ』

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赤松正行氏制作の『ウロボロスのトーチ』はスマートフォンを8枚の絵の前で掲げると、絵に描かれていない絵が現れ音と共に動き出します。音や映像が再生されることで、作品の世界が広がります。

スマートフォンの画面は小さく絵は大きいので、宝探しのように色々なところを見る楽しみもあります。

体験動画

『不可視美術館』

ちょっと暗い部屋の中にある『不可視美術館』はとても不思議な美術館です。美術館でよく見る台と額が飾られていますが、台の上には何もなく、額の中にも絵はありません。
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室内にある少し変な懐中電灯のスイッチを押して額に向けると、光が当たったところに絵が見え、台の上に光を当てると彫像のシルエットが浮かびます。

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体験動画

懐中電灯を持ったまま台に近づき、シルエットしか見えない彫刻に懐中電灯を当てると彫刻は落ちてしまいます。
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©teruakiTSUBOKURA
落ちた彫刻は床を探してもどこにもありませんが新たな彫刻が上から降ってくるので何の彫刻か考えてみましょう。普通の美術館では彫刻を落としたり、絵に光を当てることはできません。やってはいけないこともできる不思議な美術館です。

「VRクリエイティブアワード2017」審査員特別賞を受賞をした坪倉輝明氏制作による作品です。

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『CHILDHOOD』

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CHILDHOOD』は子供の頃に戻れる装置です。ウエスト部分に付けたカメラから見た映像をヘッドマウントディスプレイを通して見ることで、子供の身長から世界を見る気分になれます。筑波大学 西田 惇氏・髙鳥 光氏・佐藤綱祐氏により制作されました。

目の間の距離も子供と同じように狭くしてあるため、周囲にある台や大人が巨大に見えます。周囲が巨大に見えることで、大人になってから忘れてしまっていた子供の頃の感覚や心情すらも戻ってきます。

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手に子供サイズの手を装着することで、お茶碗などを持つことが難しかった子供の頃を思い出させます。

本来は病院等の施設で子供にとって危険な場所を大人がチェックするためのものですが、子供の頃の気持ちが蘇る不思議な体験となっています。

対象年齢:13歳以上
『CHILDHOOD』の体験は期間中、毎月土曜日1回のみですので、体験したい人は体験日の確認が必須。体験可能日には整理券を朝10:00に展示場所で配布します。

体験日:2017年10月14日(土)、11月25日(土)、12月16日(土)、2018年1月20日(土)、2月17日(土)、3月10日(土)各日10:00~12:00/1日先着20組まで

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『HADO SHOOT!』

『HADO SHOOT!』(株式会社meleap )は、ARヘッドセットを被り腕に動きを認識するデバイスを装着することで、まるで魔法を腕から発射しているように敵モンスターを倒すゲームです。
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『HADO SHOOT!』は壁から出てくるキノコなどの可愛い敵モンスターを魔法で攻撃します。手を思いっきり前に突き出すと、ファイヤーボールのような光弾「HADOショット」が飛び出します。時々現れる宝箱を破壊し、アイテムをゲットすると「HADOショット」だけでなくペンキやミサイルを出すこともできます。

敵から攻撃を受けると一定時間目隠しをされたようになったり、ラスボスは巨大だったりとゲーム性があり楽しく体を動かす体験となっています。

1~2人で体験できるので、家族や友達と一緒にモンスターに立ち向かうことができます。
※対象年齢:7歳以上
※体験時間:平日 15:45~16:30/土日祝 13:15~16:35
『HADO SHOOT!』は大変人気があるため展示場所のノートに名前を書いて予約する仕組みになっています。

土日は2時間位で予約が一杯になってしまうため、HADOを体験したい方は平日夕方がねらい目です。
https://www.youtube.com/watch?v=OZDxmkxObEc

『恐竜戯画』

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©TSUMIKI SEISAKU
『恐竜戯画』(株式会社積木製作)は、空を飛んだり、水中を潜ったりと恐竜の世界にタイムスリップしたような体験ができる3DCGによる360度VR映像作品です。

ティラノサウルスの大きな口が目の前に迫るなど巨大な恐竜を眺めることができます。

https://www.youtube.com/watch?v=S791s5QP_X0
※体験時間:平日 13:00~16:45/土日祝 9:30~16:45

『ANIMAを撃て!VR特別版』

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『ANIMAを撃て!VR特別版』は次代を担う若手映像クリエイターの登竜門SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映された『ANIMAを撃て!』のシーンの中からバレエシーンを、360度で改めて撮影した実写映像とCGを一部合成した作品です。

タブレットを手に持ち、360度周囲見回しながら鑑賞します。

初めて360度作品を制作したとのことで、カメラの周囲をダンサーが踊るシーンとなっています。タブレットで鑑賞することもあり没入感や臨場感は低い作品ですが、映像作品の制作にも力を入れている本ミュージアムの初360度作品を見ることができます。

VR/ARを体験を通して理解できる

VR映像作品から、大人気のHADO体験やイベント以外では見ることができない研究室の展示、人気メディアアートなどが展示されています。

また、会場には1950年から2016年に至るまでのVR/ARの年表が書かれたパネルの展示があります。いつ始まったのか、今までどのような機器が生まれたのかを理解しやすく書かれています。

ARは『ポケモンGO』のようなものだけではなく、VRはヘッドマウントディスプレイを被ることだけではないことを体験を通して理解が深まる様々な展示を見ることができます。
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企画をすべて見てもかかる時間は約1時間ほどです。他のフロアでは映画の歴史に関する展示がされているほか、サンプル映像を使った映像編集や効果音をつける体験、実際にスタジオで撮影をする体験もできるので一緒に体験してみてはいかがでしょうか。

子供だけでなく大人も楽しめる展示となっています。

VRやARの世界が広いことを子供に体験してほしい

株式会社デジタルSKIPステーション 次世代コンテンツ制作部 副部長兼映像ミュージアム グループリーダー 澤柳英行氏にお話を伺いました。
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本企画は2016年がVR元年と言われていたので、本美術館でもVRやARの展示をしよう、というところから始まりました。VRが体験できる大型の施設では映像やゲームが中心なので、もっと違う形、研究的なものなどを展示し、VRやARの世界が様々で広いことを体感してもらいたかった、とのこと。

また、当施設は小学校の社会科見学等で利用されることもあり、年齢が低い子供でも体験できることを目的にしました。

ゆっくり体験したい人へ

HADOが人気で、土日にはHADOを体験できると開館時に合わせて訪れる人もいます。ゆっくり展示を見たい場合は、平日昼間は社会科見学の団体客の利用があることがあるため平日の午後遅くに来るとじっくり見学できます。

『CHILDHOOD』は月に1回の体験です。また、『恐竜戯画』は土日、平日で体験時間が違うため事前に体験したい展示の時間を確認してからの。

名称

映像ミュージカル企画展「マジカリアル~VR・ARが作り出す不思議体験~」

期間

2017年9月16日~2018年3月11日
※休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始

時間

9:30~17:00(入館は16:30まで)

入場料

大人510円・小人250円 (常設展も観覧可能)
※年間パスポート 大人2,040円、小中学生 1,020円

場所

埼玉・SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ映像ミュージアム

住所

〒333-0844 埼玉県川口市上青木3-12-63
彩の国ビジュアルプラザ

公式サイト

http://www.skipcity.jp/vm/mr/

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この記事を書いた人

  • アニメや特撮、VR・ARが好きなだけな人です。Oculus等HMD、VR・ARの魅力を沢山の人に広めていければと思っています。

    Twitter:@kure_kure_zo