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活用事例 2017.12.29

VR内への広告配信サービス・事例4選

現実でふと周囲を見た時、スマホを見ているとき、さまざまな広告が目に入ってきます。私たちの生活は広告に囲まれているといっても過言ではありません。

そういった広告は、新しいメディアであるVRの中にも登場し始めています。現在では360度動画を使った広告など、世界でさまざまな取組が行われています。今回は、VRに広告を配信するサービスとして何があるのかをご紹介します。

VR広告配信プラットフォーム「Immersv」

『Immersv』は、スマートフォン向けのVRに向けた広告配信プラットフォームです。アプリ、ブラウザからの視聴に対応しています。
Immersv社が展開しています。同社は2017年8月に11億円の資金を調達しています。

動画リワード広告の配信ネットワークとして活用することが可能で、360度動画を用いた広告をアプリで配信することや、VRアプリを通したマネタイズ支援を行うことができます。これまでにも同社のサービスは、ハワイ観光局が製作したVR体験によってハワイをプロモーションするアプリ『Let Hawaii Happen』などにも導入されています。

また、最近では日産や、炭酸飲料のマウンテンデューなどにVRを用いた広告提供を行っており、同社によると360度動画とVRを活用した広告の視聴率は85%にのぼるとのことです。

Rogers Venture PartnersのゼネラルパートナーであるSestilli氏によると、「360度動画とVRによる広告動画は、広告を最後まで視聴する人の率や、クリック率、エンゲージメント率それぞれが最高値を記録する」とのことで、「(VR広告市場において)Immersvは、広告主、パブリッシャー双方にとって有益な位置にいる」と語っています。

Advrty社のVR向けネイティブアド


スウェーデンの広告サービス企業Advrty社は、VRに広告を表示するシステムのベータ版を開発しています。同社の開発する広告システムではユーザーの没入を邪魔することなく、コンテンツの一部としての広告表示を目指しています。

同社が開発するシステムは、VR空間内でのユーザーの視線やいま行なっている動作をトラッキングして、ユーザーの視線が向いている場所にさりげなく広告を表示するものです。同社のCEO兼共同設立者であるNiklas Bakos氏は、ユーザーの没入を邪魔せずに広告を配置することが最も重要だと述べています。

これまでにAdvrty社はコカコーラ社のキャンペーンに参加しており、VRで雪合戦をプレイできるゲーム『Merry Snowballs』のプレイ中にコカコーラの広告を配置しています。下の動画ではユーザーのコンテンツプレイを邪魔しないように、ユーザーの視線が向いている場所に自然に広告を表示する様子を確認できます。

Googleの考案したキューブ型VR広告

グーグルは、社内ワークショップにて、VRアプリケーション向け広告フォーマットのテストを行い、公開しました。

VRアプリケーションの開発多くの個人開発者が取り組んでいますが、モバイルVR向けのアプリでは広告の実装が難しいことが現状です。Googleは現在、ネイティブなモバイルVR向け広告フォーマットを試験的に検討しています。最初のアイデアとして、キューブ状のアイコンを提示し、それにコントローラーを使ってレーザーポインタで触れるか注視すると動画広告が再生されるといった形式が試されています。

Googleは、モバイルVR向け広告フォーマットにはいくつかの重要な原則があるとしています。開発者が扱いやすく、VRにネイティブであり、カスタマイズしやすく、かつユーザーにとって邪魔にならないということです。
GoogleはVR開発者向けに、こうしたVRにおける広告フォーマットのテストに参加するVR Ads Developer Early Access Programを募集しています。現在は初期段階のSDKが用意されており、簡単に起動して実行することができます。

VR内広告サービス「VRize」


株式会社VRizeは、VR内広告システム「VRize Ad」のクローズドβテストを行っています。同社は2016年10月には資金調達を行っており、累計での資金調達額は数千万円ほどとなっているとのこと。

同社が展開するVR広告は主に3種類あります。1つ目は広告の360度動画を再生するもの。また、2つ目はVRHMDでの2D動画再生時に、映画館にて映画が始まる前に流れるような動画広告のタイプです。

3つ目は、目の前に企業ロゴなどを3DCGで出現させることのできる3DCG広告です。こちらは360度動画プラットフォームVRアプリであるJAUNTにアップロードされているメジャーリーグの動画が始める前に流れるCMがイメージと近いとのこと。

これら3つのタイプの広告を好きなタイミングで入れることができます。デバイス毎に対応が異なり、サービス当初はユーザーの多いスマートフォンデバイス向けのコンテンツへ広告を入れていくそうです。

(参考)
VRize Video
http://vrize.io/video/


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