Home » 注目の新型VRヘッドセット「Vive Pro」現行版と性能を比較


VIVE 2018.02.08

注目の新型VRヘッドセット「Vive Pro」現行版と性能を比較

「Oculus Rift」や「PlayStation VR(プレイステーションVR・PSVR)」、「HTC Vive」などが発売された「VR元年」から早くも2年が過ぎ、VRヘッドセットは様々な形で進化を続けています。「一体型」と呼ばれるPCやスマートフォンを必要としないものや、外部センサーを必要とせず高品質なVRを体験できるものなども発表・発売されています。

2018年1月にラスベガスで開催されたイベント・CES 2018において、HTCは新型VRヘッドセットである「Vive Pro」を発表しました。「Vive Pro」はハイエンドVRヘッドセット「HTC Vive」の上位機種として位置づけられており、企業等でVRを体験するプロフェッショナルや、よりハイエンドのVRゲームを体験したいコンシューマー向け、と位置づけています。VR体験をより鮮明かつ快適にできるよう、様々なアップグレードが行われています。

本記事では「Vive Pro」について、従来機種である「HTC Vive」と比較しつつ紹介します。

目次

1.Vive Proとは?
2.通常のHTC Viveとはどこが違うのか?
3.他のVRHMDとスペック比較
4.Vive Proの価格と入手方法は?

Vive Proとは?

「Vive Pro」は、PC向けVRヘッドセットである「HTC Vive」の上位機種です。従来のHTC Viveに比べて解像度や装着感、オーディオ機能などが向上しており、VRへの没入感をより高めるようなアップグレードが施されています。

通常のHTC Viveとはどこが違うのか?

Vive Proと通常のHTC Viveの大きな違いは「解像度の向上」「オーディオ機能の強化」「装着時の快適性アップ」の3点です。それぞれどのように変わったのか、個別に見ていきましょう。

解像度の向上

Vive Proのディスプレイ解像度は2880×1600(片目1440×1600)。HTC Viveの2160×1200(1080×1200)に比べ、ピクセル数では78%、ピクセル密度では37%向上しました。VR内の表示や文字がより鮮明に見えることで、没入感が向上しています。

【Vive Proと通常版HTC Viveのディスプレイスペック比較表】

 

Vive Pro

HTC Vive

ディスプレイ

対角3.5インチ
有機EL×2枚

対角3.6インチ
有機EL×2枚

解像度

2880×1600、616ppi
(片目あたり1440×1600)

2160×1200、438ppi
(片目あたり1080×1200)

リフレッシュレート

90Hz

90Hz

視野角

110度

110度

※リフレッシュレートや視野角についての変更はありません。

また、Vive Proの動作に必要なPCスペックは現行のHTC Viveから変更なし(GeForce GTX970 / RADEON R9 290以上)です。

オーディオ機能の強化

Vive Proでは高品質を謳うヘッドホンがVRヘッドセットに一体化する形で付属しており、マイクにはデュアルマイクを採用しています。従来のHTC Viveにはヘッドホンは付属しておらず、アクセサリとしてデラックスオーディオストラップを購入・換装する必要がありました。また、マイクがデュアルマイクとなり、ノイズキャンセル等も実装されたことで快適にコミュニケーションを取ることが可能となっています。

装着時の快適度アップ

現行のHTC Viveではオプションで、デラックスオーディオストラップを装着することにより、通常よりも快適な装着感を実現していました。一方、Vive Proではデラックスオーディオストラップをベースとしてデザインを変更、より快適な装着感と簡単な着脱ができるようになっています。フェイスクッションは表面積が24%増えており、最適な重心を実現している、としています。

さらに、ストラップを含む全体の重量は現行のHTC Viveよりも軽量化。重心の調整も新たに行われています。

さらに、PCと接続するケーブルも改良され、データ転送用のUSBケーブルが通常のUSB 2.0からUSB 3.0に変わり、映像転送用のHDMIケーブルがDisplayPort1.2ケーブルへと変わりました。

新ベースステーションの対応や、デュアルフロントカメラも

これまで紹介した3つのポイントのほか、ルームスケール(部屋サイズを歩けるVR体験)という観点からは、Vive Proは今後展開予定となっている新型ベースステーション(ベースステーション2.0)に対応しており、将来的にはベースステーションを4個使い、最大で10m×10mの範囲での位置トラッキングが可能となる見通しです。現行HTC Viveの通常トラッキング範囲である4m×3mを大きく上回っています。HTCによると、発売時にはVive Proのヘッドセットのみが発売され、ベースステーション2.0やコントローラーなどは2018年中に発売されるとのことです。

また、2018年に発売される「Viveワイヤレスアダプター」にも対応し、ケーブルを気にせずに無線化することができます。

また、Vive Proの前面には、1対のステレオカメラが搭載。HTCによると「このカメラはクリエイターに使い方を考えてもらいたい」とのこと。目の前にかざした手などを認識することができる模様です。

3.他のVRHMDと比較

上記の通り、「Vive Pro」は現行のHTC Viveと比較した場合、解像度や装着感などが向上しています。では、他のVRヘッドセットと比べた場合はどうでしょうか。

一般ユーザー向けにも販売されている主要なハイエンドVRヘッドセットとVive Proを比較した表がこちらです。先ほど述べた通り、ディスプレイ解像度は現行のHTC Viveから向上し、Oculus RiftやPlayStation VR(PSVR)、一般のMRヘッドセットよりも高くなっています。

 

Vive Pro

Oculus Rift

PSVR

マイクロソフト MRヘッドセット(通常)

Samsung Odyssey

ディスプレイ

OLED(有機EL)×2枚

OLED(有機EL)×2枚

OLED(有機EL)×1枚

LCD(液晶)×2枚

OLED(有機EL)×2枚

解像度

2880×1600
(片目あたり1440×1600)

2160×1200(片目あたり1080×1200)

1920×RGB×1080(片目あたり960×RGB×1080)

2880×1440(片目あたり1440×1440)

2880×1600(片目あたり1440×1600)

リフレッシュレート

90Hz

90Hz

120Hz, 90Hz

90Hz, 60Hz

90Hz

視野角

110度

110度

100度

90度~105度

110度

位置トラッキング

アウトサイドイン方式
(付属のベースステーションを使用)

アウトサイドイン方式
(付属の赤外線センサーを使用)

アウトサイドイン方式(付属のPlayStation Cameraを使用)

インサイドアウト方式(外部センサー不要)

インサイドアウト方式(外部センサー不要)

スペック的にはサムスン社のMRヘッドセットである「Samsung Odyssey」はかなり近いと言えるでしょう(※2018年1月現在、「Samsung Odyssey」は日本国内での販売はされていません)。

4.Vive Proの価格と入手方法は?

2018年2月現在、Vive Proの価格やプレオーダー(予約)開始日、発売日などの情報は公開されていません。2018年第1四半期に発売予定と推測されていますが、現在は続報待ちとなっています。

Vive Proのスペック

ディスプレイ

デュアルAMOLED 3.5インチ(対角)

解像度

片目あたり1440 x 1600ピクセル
(合計2880 x 1600ピクセル)

リフレッシュレート

90Hz

視野角

110度

オーディオ

・ハイレゾ対応ヘッドセット
・ハイレゾ対応ヘッドフォン(取り外し可能)
・高インピーダンスのヘッドフォンサポート

入力

内蔵マイク

接続

・USB 3.0
・DP 1.2
・Bluetooth

センサー

・SteamVRトラッキング
・Gセンサー
・ジャイロスコープ
・近接センサー
・IPDセンサー

その他

・調整可能な IPD
・調整可能なヘッドフォン
・調整可能なヘッドストラップ

Vive Proに関する他の記事はこちらよりご覧ください。

(参考)
・HTC公式:Vive Pro
・【体験レポあり】HTC、VRヘッドセット上位機種「Vive Pro」と無線アダプターを発表
・Vive Pro、コントローラーなど付属品の新型は今年後半登場か


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード