HTCが企業向けの新一体型VRヘッドセット「VIVE Focus Plus」の出荷日と価格を発表しました。2019年4月15日に全世界に向け出荷開始予定であり、販売価格は799ドル(約9万円)です。出荷される「VIVE Focus Plus」には、ハンドコントローラー2つと、無料のエンタープライズライセンスが付属します。
様々な部分が改良、コントローラーは6DoFに
「VIVE Focus Plus」は2019年2月にその存在が発表されました。旧モデルの「VIVE Focus」と比較すると、新型レンズの搭載、さらにハンドコントローラーの6DoF化(※)が行われています。
(※6DoF……Six Degrees of Freedomとも。デバイスの向きと位置を認識するトラッキング方式。VR内における前後左右の自由な動きが可能となる。これに対し、デバイスの向き=回転のみを認識するトラッキング方式を3DoFと呼ぶ)
今回「VIVE Focus Plus」に同梱されるコントローラーは、2018年10月に開発者版が発表されたモデルの製品版。超音波を使って物体の位置を測量する、超音波トラッキングが採用されています。VIVE Focus Plusに搭載されたエミッターが超音波を発し、その音波をコントローラー側のエミッターが受信することで、トラッキングが機能します。
VIVEPORT Infinityにも対応
出荷時の「VIVE Focus Plus」では、HTCのプラットフォームVive Waveで配信されている約250種類のコンテンツが体験可能です。「VIVE Focus Plus」はまた、2019年4月2日から開始が予定されているHTCのVRコンテンツの定額配信サービス「VIVEPORT Infinity」にも対応します。HTCによると「VIVEPORT Infinity」には、ローンチ時に70種類のVIVE Focus用プレミアムコンテンツが存在するとのことです。
VIVE Focus Plusスペック表
ディスプレイ解像度 |
2880×1600(615ppi) |
プロセッサ |
Qualcomm Snapdragon 835 |
オーディオ |
内蔵スピーカー |
HMDトラッキング |
6DoF(インサイドアウト方式) |
コントローラトラッキング |
6DoF |
FoV(視野角) |
110度 |
バッテリー |
4000 mAh(2時間30分の連続使用が可能) |
リフレッシュレート |
75Hz |
メモリ |
4GB |
ストレージ |
32GB |
データ送受信 |
Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac(5GHz帯のみ対応) |
コネクター |
USB Type-C |
Oculus Questに対抗できるか
「VIVE Focus Plus」の799ドルという価格は、Facebook(Oculus)が2019年春に発売を予定している新型一体型VRヘッドセットOculus Quest(499ドル)と比較すると、300ドル高い設定です。
海外メディアUploadVRは、Oculus Questは2019年3月現在一般ユーザー向けのモデルしか告知されていないと前置きしつつも、「VIVE Focus Plus」は、Oculus Questとの差別化に苦労するのではないかと予想。(一般向けの)Oculus Questが法人用として使用された場合、本体スペックやエンタープライズライセンスといった「VIVE Focus Plus」の長所が、Oculus Questに対抗できるのかは現状不透明だと論評しています。
(参考)UploadVR