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AR/MR 2019.07.05

インスタ映えする“バーチャルファッション”が話題に。存在しない服を買う理由とは?

インスタグラムで活躍するインフルエンサー達が、SNS投稿のために現実には存在しない“バーチャルファッション”を購入する流れが生まれつつあるようです。

多様なセンスを表現できるデジタルファッション

ノルウェーを拠点に活動するファッション会社Carlingsは、2018年11月にデジタルコレクション(Digital Collection)の販売を開始しました。同社のデジタルコレクション「Neo-EX」は、格闘ゲームの「鉄拳」シリーズからインスパイアされているとのこと。クロコダイルの革調の黄色いビビットカラーのロングコートや、メタリックピンクのバイザーなど、個性的なシリーズとなっています。

現在発売されているデジタルコレクションは20種類ほどで、価格は10ポンド(約1,400円)から30ポンド(約4,000円)まで。購入後は、3Dデザイナーが購入者に洋服サイズを合わせ、SNS投稿の際には「自然に映る」よう調整されるとのことです。

同社のブランドマネージャーを務めるKicki Perrson氏は、「デジタルコレクションの反響は想像以上に好評で、今年夏には第2回目のコレクションを発表する意向である」と語っています。

高度なデザインでもインスタ映え」、しかも安価

5万8千人のフォロワーを持つロシアのインスタグラマーDaria Simonova氏は、デジタルコレクションを身にまとい、自身のアカウントに投稿し多くの「いいね」を獲得しました。Simonova氏は「高度なデザインにもかかわらず安価で、環境に優しいというデジタルコレクションのコンセプトに共感する」とコメントしています。

また、オランダを拠点にするデジタルファッション会社The Fabricantの「デジタルクチュール」は、2018年5月に米ニューヨークで開かれたチャリティーオークションに出品されています。世界で初めて落札されたデジタルクチュールは7,500ポンド(約100万円)の値を付けており、The Fabricantの創設者であるKerry Murphy氏は、「いくつかのブランドと話しを進め、デジタルファッションだけのシリーズ展開を計画している」とも語っています。

“存在しない服を買う”ことはやや奇妙に思えるかもしれませんが、多くのソーシャルアプリやオンラインゲームなどで売買されるアイテムのことを考えれば、そう不自然ではないでしょう。こうしたサービスやゲームのユーザーは、自分のアバターや操作キャラクターを着飾るために、服やファッションアイテムを購入しています。技術の進歩やコミュニケーションの形が変化したことにより、それがさらに「リアルな」場所に近づいてきた、ということなのかもしれません。

(参考)ELLE


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