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スマホVR 2016.06.24

【VRゴーグルレビュー】ヘッドホンのついた一体型「Virtoba X5」

Oculus RiftやHTC Viveなど家で楽しめるハイエンドVRは機材を揃えるのにお金も手間もかかると感じる人も多いのではないでしょうか。一方、手持ちのスマートフォンを装着して簡単にVR体験ができるモバイルVRは非常に手軽です。

スマホの性能による制約がありますが、それなりに面白いVR体験ができるコンテンツもあります。一方Amazonなどを見ると、モバイルVR用のデバイスが山のように売っています。

どれを買ったらいいのかわからないという人もいると思いますので、Mogura VRでは今後1つずつVRデバイスを試してレビューを掲載していきます。

第1回として取り上げるのは、『Virtoba X5』。Virtoba社が開発したスマホ用VRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)です。ヘッドマウントディスプレイなので、ヘッドバンドつき。手で支えることなくVR体験ができます。特徴はHMDにヘッドホンが組み込まれていること。

Virtoba X5

なお、今回のレビューでは、スマートフォンは「Xperia Z5 Premium」を使用しました。また、執筆者の視力は0.01の近視です。

Virtoba X5の特徴

ほかのスマホVRデバイスにないところと言ったらHMDにヘッドホンがついていること。ハイエンドのものも含めて、ヘッドホンとの一体型はOculus Rift製品版とこのVirtoba X5の2種類のみです。ヘッドホンは前後に動かして調整することができます。

また、IPD(瞳孔間距離)の調整もでき、ピントの調整も可能です。
頭にかけるベルトは頭を横に一周するベルトと、頭の頂点を半周するベルトの二本で構成されており、Gear VRと同じ構造です。

スマホ装着部はカバー(写真の黒色透明プラスチック部分)を開けてスマホをはめ込む形で、ボタンを押すことでカバーが開くようになっています。

ほかに特出した点としては、スマホ装着部の下部に接続したスマートフォンの音量調整ダイヤル、また、ボタンを押し込むことによってスマホの画面の一部にだけタッチ操作を加えることができるスイッチがついています。

Virtoba X5

Virtoba X5の優れている点

まず気になる視野の広さですが、没入感を妨げるほど狭くはなく、スクリーンのように見えるようなこともない、満足のいくほどの広さです。この点で不満を感じることはないでしょう。

また、顔と密着するスポンジ部分がこのHMDはよくできています。この手のHMDは、顔が平たい人だと鼻の部分から明かりが漏れて、その結果、その隙間から現実世界が見えて、没入感を妨げるといったことになりがちなのですが、このVirtoba X5は明かりが漏れずに密着します。

そして、一番の特徴でもあるヘッドホンも、すちゃっと装着することができるようになっています。このヘッドホンのせいでHMD自体の装着に手こずりそうなものですが、そのようなこともありません。
何より、このHMDは装着がしやすいです。ベルトのどこかの素材のせいで髪の毛にひっかかったりすることがこの手のHMDではよくあるのですが、顔に触れる部分の素材全てでひっかかる要素がないので、とてもスムーズに装着することができます

音量ダイヤルも、「あ、ちょっと音小さいな」と思ってもすぐに音量を調節することが可能でとてもいいです。

Virtoba X5の悪い点

ここまでは、大絶賛ですが、ここからは課題を紹介していきます。
まず何より幅が狭くメガネの装着はほぼ不可能です。

Virtoba X5

この点に関してはピントの調整機構があるため裸眼でも視界はクリアに見えたので、問題はないかもしれませんが、乱視などを抱えていて、メガネが必須という場合には、このVirtoba X5はおすすめできません。

メガネはこの写真に使われているものより一回り小さいものも試しましたが、装着するのに一苦労と、やはりおすすめはできません。

そして、この製品最大の特徴といっても過言ではないヘッドホンにも課題ががあります。
まず、音質。少し音がこもっているので、クリアには音が聞こえません。
そして何より不満だったのが、HMDを装着したあとのヘッドホンの調整に難がある点です。

Virtoba X5

上に掲載した写真を見ると分かりますが、このHMDのヘッドホンは、HMD本体の横から金属の板を元にして前後に動かすことができます。なので、装着した状態でも前後に動かすことができるように見えますが、そうは簡単にいきません。後ろに引っ張って金属の板を露出させてヘッドホンの位置を後ろに調整することはできますが、前に戻そうとすると、装着した状態では、金属の板とプラスチックのヘッドホンがうまくかみ合わず、ひっかっかってしまい、戻せなくなります。

そのため、耳の位置とあったように装着するには、一度HMDを装着し、ヘッドホンの位置を耳のところまでおおざっぱに調整、のちHMDを外して、ヘッドホンの位置を前後に微調整してから、装着という、回りくどい手段をとることになります。

Virtoba X5の総評

スマホ用HMDに限らず、ヘッドホンがHMD本体にくっついているというのは、装着のしやすさという点において、とても楽ができるところです。その点、Virtoba X5は他のHMDに比べて装着がとてもスムーズで、また、音量ダイヤルなど、細かな点にも気が利いています。

メガネが装着できず、視力の面で少々不安を抱えるHMDですが、モバイルVRデバイスの中では比較的クオリティの高いVR体験を与えてくれる製品だと思います。

デバイス名:Virtoba X5
メーカー:Virtoba
価格:3980円(6/23現在)
視野角:120°
IPD調整:可
眼鏡の使用:不可
対応スマホ:4-6インチのスマートフォン
良い点:現在唯一のヘッドホン付きのモバイルVRヘッドマウントディスプレイ
悪い点:ヘッドホンのクオリティに不満


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