HTC Viveを開発しているValve社は、PCとVR機器のワイヤレス接続を開発しているNitero社への投資を発表しました。
強力かつ低遅延なワイヤレス通信
RiftやViveなどのデスクトップVRで、現状体験するうえで最も邪魔なものの一つが「ケーブル」です。
プレイ中に絡まったり、引っかかって抜けてしまったり……。ただでさえ周りは見えないのにPCからヘッドセットへ何本もコードが伸びていると、なかなかVR体験に集中できないこともしばしば。
ワイヤレス接続を実現することが次の世代にとって明白な課題ですが、解決は難航しています。
Niteroの共同創業者であり副社長を務めるSven Mesecke氏によると、Niteroの技術の特徴は2つあります。
1つは、60GHzの送信機を経由したワイヤレス転送、そしてもう1つが、映像に遅延の生じないエンコードです。Mesecke氏は、「Niteroのワイヤレス技術は、強力かつ低遅延と、VRのために設計されたソリューション」と言及しています。
無線送信機も不要? 数年内に実現か
Niteroの技術が直面している問題の1つとして、信号が途切れてしまう課題がありますが、こちらも解決に向けて取り組んでいるとのこと。
20161月時点では2016年末にも同技術をリリースするとしていましたが、予定は変更となり、もう少し先となるようです。Mesecke氏によれば、この技術はVR製品を支えるもので、いつのリリースとなるかは提携企業次第だといいます。
今回の投資の通り、Valveはパートナーシップの一つで、他にも様々なVRデバイス関連企業と提携を進めているとのこと。
Mesecke氏は、「NiteroはVRヘッドセットだけでなく、360度カメラや他の周辺機器メーカーとも話し合いを進めています」と述べています。
先日開催された、Oculus Connect 3でも、PCとVRヘッドセットの「ワイヤレス接続」は“5年後の未来と課題”の一つとして取り上げられていました。ワイヤレスVRの到来する時代に期待できそうです。
(参考)
UploadVR / Valve Invests a “Significant Amount” in Company Seeking To Make Desktop VR Wireless(英語)
http://uploadvr.com/nitero-valve-investment-wireless-vr/
※Mogura VRは米UploadVRとパートナーシップを結んでいます。