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業界動向 2016.03.28

VR業界の動向調査が示す北米の開発者コミュニティの状況と課題

VR開発者コミュニティ

アメリカのVRメディアRoad to VRは、調査・統計作成を行う企業Greenlight VRが来月4月に公開する予定の「VR産業についての調査、2016年4月版」の結果の一部を、解説をつける形で公開しました。今回の調査は独立して活動をする開発者・小規模スタジオ73箇所にVR産業の見通しをうかがっています。

Greenlight VRは、VR業界を中心に様々な調査を取り、統計を作成している企業。Mogura VRでも過去に、アメリカの一般消費者はVRにどう関心を寄せているのかについてや、2015年7月のVR業界の現状をまとめたものなどを紹介しています。

調査の結果の概観は、VR分野の開発者コミュニティの規模は大きく、エネルギーに満ちているとのこと。回答者の6割は(具体的なビジネスのビジョンや利益を上げる方法は考えていないが)「将来的にさらに資金が必要になる」としています。

グラフ1:現在と将来、注目しているプラットフォームの推移
VR開発者コミュニティ

上記のグラフは、開発者コミュニティが注目しているVRコンテンツプラットフォームの時間的推移を表しています。現在注目が集まっているのは、高い方から順にOculus Rift、Gear VR、Google Cardboardとなっています。しかし、今後の見通しでは、高い方から順にPlayStation VR(PS VR)、HTC Vive、Gear VRとなっています。PS VR(グラフ4番目)への期待が高いようです。

しかし、コミュニティに活気があり期待感に満ちているからと言って完全に安心できるというものではない、とGreenlight VRは考えています。活動開始から2年未満の開発者層には専業の開発者、及び新たにプロジェクトを立ち上げて取り組んでいるところが少ないそうです。

グラフ1:各チームが考えてている収益モデル
VR開発者コミュニティ

Greenlight VRの調査によれば、VR産業においてメジャーとなる収益モデルはまだ無く、各社それぞれがバラバラに利益を上げる方法を考えている段階です。課金制なのか、広告収入に基づくのか、月額制なのか……。上のグラフを見ると、大半はそれらを組み合わせたモデルとなっているようです。これから各VRヘッドマウントディスプレイが発売され、市場ができていく中でいわゆる消費者向け(BtoC向け)にどのような収益モデルで向かうのかは、まさに市場の反応を見ながら試行錯誤していくことになりそうです。

そんな状況下ではありますが、開発者たちは既に「“第一歩”を踏み出している」と答えており、現在の取り組みは先行投資としての考え方が大きいものと考えられます。調査結果の詳しい内容は来月4月以降、こちらから有償で手に入れることができます。

(Greenlight VRの他の調査紹介)
アメリカの一般消費者はVRにどう関心を寄せているのか?調査結果をインフォグラフィックで – Mogura VR
http://www.moguravr.com/2015end-usconsumer/

図とグラフで見る、VR業界の“いま”概観(2015年7月時点) – Mogura VR
http://www.moguravr.com/vr-sector-july2015/

(参考)
VR Developer Ecosystem is “Energetic” But “Fragile”, New Industry Report Suggests – Road to VR
http://www.roadtovr.com/vr-developer-ecosystem-is-energetic-but-fragile-new-industry-report-suggests/


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