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トレーニング・研修 2017.08.16

米運輸大手UPS、ドライバーの危険察知訓練にVR導入

グローバル展開する米国の貨物運送会社、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、同社の社員教育にVRを用いたプログラムを導入しようとしています。

同社のロゴを冠した配送車両は全世界で常時10万台が稼働しているといい、VRを用いることで多数のドライバーの訓練度を向上、維持することができます。

バーチャル空間でドライバーを訓練

本プログラムではHTC Viveと、特製のドライブコントローラーを用いて同社のドライバー教育を行うもので、9月から全米9箇所のUPS研修施設で運用を開始します。

VRを用いた教育カリキュラムでは、研修生はヘッドセットを装着して、バーチャル空間内で実際にトラックを走っている環境を疑似体験する中で、路上の障害物の回避方法などを実際の状況に近い形で学ぶことができます。

UPSで情報・エンジニアリングオフィサーを務めるJuan Perez氏によると、VRは現実の環境をかなりリアルに再現することが可能で、テレビゲームに慣れ親しんだ同社の若いドライバーでも、すぐに夢中になってしまうとのこと。

これまで同社では、路上の障害物を避ける教育をタッチスクリーンのデバイスを用いて行なってきましたが、今後はVRを用いた教育システムに代替していくそうです。

現在、社員の教育や研修にVRを活用している企業は複数あり、たとえば大手スーパーマーケットのウォルマートが開発した教育システムでは、バーチャル空間を通してマネジメントやカスタマーサービス、繁忙期の忙しさなどを体験的に学習することが可能で、全米200箇所のトレーニングセンターに導入する予定です。

また日本では建設会社の大林組がVRを取り入れた教育システムを開発しており、バーチャル空間を通して実際の現場と同じ要領で不具合点検などの実習を行うことが可能です。

VRを社員教育や訓練に用いることで、低コストで高い教育効果を得ることが可能になり、費用と時間のかかる従来の教育方法に大きなメリットをもたらします。

(参考)
VRScout / UPS Is Integrating VR Into US Training Facilities(英語)
https://vrscout.com/news/ups-integrating-vr-training-facilities/

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