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話題 2018.04.07

視覚障害者の芸術鑑賞を助ける VRグローブで“触れる作品”

世界には2.5億人以上の視覚に障害を持つ人がいると言われています。彼らが芸術作品を鑑賞するには、ほとんどの場合、誰かにその作品を丁寧に説明してもらうしかありません。

これを解決するために、プラハ国立美術館では、VRを使って作品を鑑賞する取り組みが行われました。

グローブ型デバイスで作品に”触れる”体験

プラハ国立美術館で展示された「Touching Masterpieces」は、VRを使って作品を鑑賞する展示です。使うのはヘッドセットではなく、触覚フィードバックのあるグローブ型デバイス。これで、作品に触れているような体験ができます。

今回のプロジェクトは、スペインのスタートアップ、NeuroDigitalとの共同でおこなわれました。NeuroDigitalは2015年、Kickstarterでグローブ型のコントローラー「Glove One」の資金調達に成功した企業です。このデバイスにはフィードバック装置が埋め込まれており、振動によって触れているものの触感を感じられます。

同社はジオメトリー・プラハやLeontinka財団の協力を得て、「ミロのヴィーナス」やミケランジェロの「ダヴィデ像」といった美術作品の3Dモデルを制作。視覚障害を持つ人がグローブを使い、作品をリアルに楽しむことを実現しました。

Leontinka財団のBarbara Hucková氏は、「視覚障害を持つ子どもは、実物とはほど遠い教材を使ってしか、美術を学ぶことができませんでした。ですがこの技術なら、今までは手が届かなかったものにも触れて体験することができます」と語っています。

この鑑賞方法は視覚障害者だけでなく、目の見える人でも楽しむことができます。通常、美術館では作品に触れることができません。しかしグローブ型デバイスを使えば、作者と同じように作品の触感を感じられます。

「Touching Masterpieces」は3月23日と24日のみの限定公開でしたが、作品の3Dモデルがこちらからダウンロードできます。

VRを使って芸術作品に触れる鑑賞方法は、ダリ美術館などでも取り入れられています。こちらは自宅からも楽しめるコンテンツです。

(参考) VRScout

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