VRの成功とは?Tokyo VR Meetupで白井暁彦氏が語ったVRにとって重要な3要素

2月24日(水)、東京御茶ノ水にあるデジタルハリウッド大学にて、VR専門インキュベーションプログラム「Tokyo VR startups」とVR・パノラマ系メディア「PANORA」によってTokyo VR Meetup #02 Vision VR/AR Summit報告会が行われました。その中で行われた、神奈川工科大学情報メディア学科准教授白井暁彦氏が行ったプレゼンテーション「VRの成功とは何か?」についてレポートします。

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まず、白井氏はVRの成功について、「輪廻」「RとDとD」「投資すべきは?」という3つの要素がある事を解説。

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まずVRの輪廻について、「歴史は繰り返す」とコメント。国際学生対抗ヴァーチャルリアリティコンテンスト(IVRC)の90年代から続く長い歴史を紹介しました。そして、オリジナリティある大量の学生作品がIVRC公式サイトに保存されている事を語りました。「何かVRで新しい事を思いついて、ビジネスにしようと思ったとしても既にIVRCでは開発済み。過去を振り返って未来が見えるタイムマシンのような存在」と、白井氏。画像をクリックするとサイトに跳べます。

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白井氏はヘーゲルの芸術の定義を引用。かつては、第1芸術「建築」から始まり、彫刻、絵画、音楽&ダンスと続き、詞まででした。フランスの哲学ではこれに加え、「漫画」や「テレビドラマ」、その第10番目には「テレビゲーム」がくるとされています。この定義により、芸術が内包する対象が時代と共に広がってきたということが分かります。

この定義は、芸術が持つ意味合いの広がりだけでなく、順番に階層を示しています。ある芸術には、前にある芸術の要素が全て含まれる連続性も示しています。例えば、ゲームではシーンを構成するために、モデルも建物も必要です。第9番目の漫画はレイアウトやナラティブといった意味合いで、テレビゲームと繋がります。今後、テレビゲーム自体がメディアとなっていくと解説しました。第11芸術にはメディアアートがくる事が有力視されていますが、白井氏は「12、13あたりにはVRが来るのではないかと感じています。」と、コメントしました。

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次に「RとDとD」。「RとDとD」とは、Reseach & Development (研究開発)そして、Deploy(展開)。白井氏は、そのDeployを忘れないで欲しいと強調しました。その例に出された、2015年秋に行われたデジタルコンテンツエキスポでは、館外で行われていたスーパーヒューマンや超人スポーツの展示がされていました。この分野は、もともと東京大学の舘教授などVRの研究者が取り組んでいるもので、一般の人にアスリート的な体験をしてもらうというもの。身体拡張や人機一体などのテーマがあります。「VRを30年研究してきた人達がスポーツにdeploy(展開)している。ヘッドマウントディスプレイでVRの体験に取り組んでいる人は『えっ?』と思われるかもしれませんが、これがResearch。いまVRHMDを使ってコンテンツ開発(R&D)しているというほとんどの人は、Development(開発)ばかりでResearchをしていない。」とコメント。VR研究からの他分野に渡るDeployによるResearchを例に挙げ、開発者の視野を広げるように促しました。

そして、最後に「そもそも成功とは、変化と成長の両輪。新しい技術や才能はどんどん出てくる。面白い事をやっても凄い技術やっても、どんどん新しいものが出る。そこで、投資すべきは人。変化に対応できる人を育てましょうという事です。」と人材育成の重要性を指摘し、締めくくりました。

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この記事を書いた人

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    先端技術好きなデザイナー。VRでは、MVコンセプトアート制作や360度カメラを使用した企画に関わる。多摩美術大中退、CI開発から書籍装丁等の様々なデザイン業務に従事。 THETA LOVERだゾ。

    Twitter:@sayamecci

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