リコー、新型360度カメラTHETA V発表 4K動画や空間音声対応、転送速度大幅向上 価格は5万円強

株式会社リコー、株式会社リコーイメージングは、360度カメラ「THETA」シリーズの最上位機種となる「RICOH THETA V」の発売日と価格、スペックなど仕様の詳細を発表しました。

「THETA」は世界初のワンタッチで全天球写真を撮影できる360度カメラとして2013年に発売されました。360度カメラの市場創出と拡大に大きな貢献をしてきたシリーズと言えます。発表された「RICOH THETA V」の価格は5万円代前半で9月下旬発売予定としています。「THETA」シリーズのラインナップは、入門機の「THETA SC」(市場価格は約24,000円)、中級機の「THETA S」(市場価格は約37,000円)に上級機として「RICOH THETA V」が加わる形となります。

4Kの360度動画撮影、ライブストリーミングが可能

「RICOH THETA V」の最大の特徴として、4K360度動画に対応、および4Kライブストリーミングに対応したことが挙げられます。360度動画の解像度は「3840 × 1920」で30fps。ビットレートは32Mbsと56Mpbsの2つが選択可能です。

また、プロセッサにはクアルコム社の「Snapdragon
」シリーズを採用し、画質の向上と低消費電力化を両立したとしています。動画の最大連続再生時間は「THETA S」と同じく最大25分に制限が掛けられています。

これまでに要望のあったSDカードへの対応は「RICOH THETA V」でも行われませんでした。これは、カメラ本体の形状の関係から難しいところがある、と説明がされました。大容量の4K動画対応ということでSDカードへの対応の期待もありましたが、「RICOH THETA V」には約19GBの内臓メモリーが搭載されています。また、ビデオコーデックはH.264とH.265に対応。なお「THETA」専用アプリはH.265には未対応とのことですが、将来的に対応していく計画。具体的にはiOSがH.265に対応したタイミングで対応していくと説明がされました。

VRでも酔いにくい360度動画へ

また、ジャイロセンサーによる手ブレ補正機能が搭載され、特にVRゴーグルなどで視聴した際にVR酔いにくい360度動画を撮影することができます。

空間音声に対応し、オーディオも強化

「より没入感の高い360度映像体験を実現する」ため、「RICOH THETA V」は360度空間音声に対応した4chマイクがカメラ本体に内臓されています。さらに入力ゲイン調整が可能。これは、特に音楽シーンの撮影時で音割れすることがあったというユーザーの声に向き合った結果とのこと。

マイク位置は正面と背面に1つずつ、上面に2つとなります。マイク位置についてはカメラ本体の形状と設計の関係から「理想とは言えない」と説明がされました。しかし、同時発売予定の専用アクセサリー「3D マイクロフォン TA-1」(価格は3万円代前半を予定。オーディオテクニカ製のマイクロフォンユニットを搭載)を利用することで、より高性能な3D録音が可能になるとのことです。

上述のように「RICOH THETA V」は外部マイクの接続が可能。カメラ本体の底面に入力端子があり、底面にマイクを接続する仕様です。またマイク入力端子の追加に伴い、「THETA SC」にあったHDMI端子が無くなりました。これについては「HDMI出力が使用されるケースが少なかった」という理由もあったことが説明されました。

スマートフォンへの驚くほどの転送速度

「RICOH THETA V」はスペックの向上の他に、利便性も大きく向上しています。特に驚きなのがスマートフォンへのデータ転送時間の短縮です。「THETA S」に比べて静止画で約3.2倍、動画約2.5倍の転送スピードを実現しています。これには、筆者も思わず感嘆の声を上げてしまいました。

さらに2017年内にファームウェアをアップデート予定で、これにより360度動画の完全なリアルタイムスティッチングが実現されるとしています。これにより動画の転送時間はさらに約1/3ほどに短縮されることが説明されました。年内には「THETA S」と比べると約1/10に転送時間が短縮されることになります。

スマートフォンとの接続方法はBluetoothと無線LANの2種類。Bluetooth接続ではスリープ状態からもカメラの起動が可能です。また、2017年内に予定しているファームウェアアップデートで、無線LANルーターからのネット同時接続可能なクライアントモードを追加する予定も発表されました。


左が「RICOH THETA V」、右が「THETA S」。サイズはほぼ同じ。

専用防水ケース(価格は2万円代を予定)も同時発売される。

また、「RICOH THETA V」はAndroid OSを採用していることから、プラグインでの機能拡張が可能です。今後はAPIとSDKの公開を行い外部の開発者の力を取り入れて「RICOH THETA V」の発展を目指したいと抱負が語られました。ハッカソンやコンテストの開催などは未定とのことですが、昨年11月には「RICOH THETA x IoT デベロッパーズコンテスト」が開催されています。

2017年は、海外メーカー製を中心に高性能な360度カメラが相次いで発売されましたが、「THETA」シリーズも、「RICOH THETA V」の登場によって、高スペックな360度カメラの競争に再び参戦したことになります。特にハイスペックとユーザービリティを両立した機種として「RICOH THETA V」が、360度カメラ好きな層以外の一般向けの消費者市場でも人気を集められるか期待したいところです。

「RICOH THETA V」の主な仕様

撮影距離

約10cm〜

撮影モード

静止画:オート、シャッター優先、ISO優先、マニュアル
動画・ライブストリーミング:オート

露出制御モード

プログラム AE、シャッター優先 AE、ISO優先 AE、マニュアル露出

露出補正

静止画:マニュアル補正(-2.0〜+2.0EV 1/3ステップ)

ISO感度

静止画:
(オート)ISO64〜1600、
(IS先 AE モード、マニュアル露出)ISO64〜3200
動画・ライブストリーミング:ISO64〜6400

シャッタースピード

静止画:
(オート)1/25000秒〜1/8秒
(シャッター優先 AEモード)1/25000秒〜1/8秒
(アニュアルモード)1/25000秒〜1/60秒
動画・ライブストリーミング:1/25000秒〜1/30秒

記録

内蔵メモリー:約19GB

電源

内蔵リチウムイオンバッテリ

電池寿命

静止画:約300枚
動画:約80分

画像ファイル形

静止画:JPEG
動画:MP4(映像:MPEG-4 AVC / H.264、H.265、音声:AAC-LC(モノラル)+Linear PCN(4ch 空間音声))
ライブストリーミング:(映像:H264、音声)

外部インターフェース

microUSB、MIC端子

リモートリレーズ

CA-3に対応

外形

45.2 × 130.6 × 22.9(17.9)mm
約121グラム

F値

F2.0

撮像素子、サイズ

½.3(×2)

有効画素数

約12M(×2)

静止画解像度

L:5376 × 2688

動画解像度/フレームレート/ビットレート

4K、H264:3840 × 1920 /29.97fps /56Mpbs
4K、H265:3840 × 1920 /29.97fps /32Mpbs
2K、H264:1920 × 960 /29.97fps /16Mpbs
2K、H265:1920 × 960 /29.97fps /8Mpbs

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この記事を書いた人

  • VR修行中のライターです。VRの可能性の大きさにワクワクしています。「Mogura VR」では編集周りのお手伝いと360動画の狩人を担当しています。

    Twitter:@oo2gu

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