VRは映像だけではなく、場面ごとに匂いを出すデバイスや、触ったときの触覚や振動を合わせることでより没入感や臨場感を高めることができます。
VRは、現実は快適な部屋の中にいても、炎や氷で攻撃されたり、ゾンビに噛まれたり、南極や南国にも行くなど体験ができるもの。
その熱さや冷たさ、痛みを実際に感じたらさらに没入感と臨場感のある体験になりそうです。
2017年9月21日から千葉・幕張メッセで開催中の東京ゲームショウで展示されていたデバイス「ThermoReal」を紹介します。
「ThermoReal」は、熱さと冷たさ、痛みを感じることのできるデバイスです。このデバイスは、熱電モジュールとシステムの開発を行っているTEGway Co.のブース(10-W10)で展示されていました。同社は韓国の国立大学法人KAISTから分離して設立されました。
持っていられない熱さ
「ThermoReal」は、棒のような形状で握って使用します。展示ブースでは、「ThermoReal」をコントローラーのように握り、モニターに映る映像を見てその性能を体験できました。
最初のシーンは「熱さ」の再現です。ドラゴンが炎を画面一杯に吐くと、握っているコントローラーがたちまち熱くなります。その熱さは思わず手を放してしまうほど。
次のシーンでは「冷たさ」の体験です。雪が降っているシーンに切り替わると先ほどまで熱かったコントローラーが雪の量に従い急激に冷えていきます。雪の中に埋めていた金属の棒を握っているような冷たさです。
映像は、何度か熱そうなシーン、冷たそうなシーンを繰り返します。その度に握っているコントローラーも熱くなったり冷たくなったりします。
コントローラーが熱くなることで、モニターの中で吐く炎が、単なるCGではなく本物のような気分になります。
痛みを感じる
痛みを体験するデバイスは別のコントローラーでの体験でした。やはり握る形状です。こちらは熱さと冷たさを同時に感じさせることで痛みを感じさせる原理になっているとのこと。
腕をつねったような痛みを感じるという説明でしたが、筆者はつねられた痛みは感じませんでした。持っていることが辛くなる刺激を感じました。
同社は熱触覚技術を、今後各種ゲームコントローラーや、手袋タイプの触覚デバイスや、VRスーツに組み込んでいきたいとのことです。
どこまで再現するのか、という問題はありますが、VR内の映像に合わせて全身に熱さや冷たさを感じることができると、ゲームはもちろん、360度実写映像でもより現地に行った気分が味わえるのではないでしょうか。
ブース概要
ブース名 |
TEGWAY |
ブース番号 |
10-W10 |