Oculus Rift用のハンドコントローラ「Oculus Touch」の発売に先駆け、Oculus社は、ルームスケールと実験的なカメラ構成を詳しく説明しました。これを元に、HTC Viveと比較してトラッキング性能を見てみましょう。
HTC Viveはコンシューマー向けVRヘッドセットで、体験者がVRを自由に歩き回ることのできる「ルームスケール」のトラッキング機能を備えています。Oculusはこれまで前方180度のVR体験を提供してきましたが、10月にはルームスケールと360度の立位でのVR体験をサポートすると発表しました。
Oculus Riftでルームスケールを使用する場合、カメラをひとつ追加し、例としては通常のセットアップのように前面2つ、プレイエリアの後部コーナーのいずれかに3つ目のカメラを配置する形式となります。 Oculus社は、プレイエリアの具体的な寸法を含むセットアップガイドを公開しました。 Oculusはまだこれらのカメラ構成を「実験的」と呼んでいることに注意が必要です。
Oculus TouchとHTC Viveでのルームスケールの違い
Oculus RiftとHTC Viveのトラッキングエリア比較は下記画像の通りとなります。
HTC Viveセットアップガイドでは、ベースステーションを斜め5mまでの範囲で配置することを推奨しています。これは、約3.5mの正方形のプレイエリアを作り、 上記画像の黄色の部分です。
Oculus Riftの3カメラのルームスケール設定ガイドでは、10.5フィート(約3.1m)のスケールが定義されています。これは上記画像の灰色部分で見ることができます。 その中の実際のプレイエリアは、上記画像のピンクの部分で、全面で8.2フィートで(2.4m)です。
2カメラでのセットアップでは、2つのカメラがプレイエリアの対角線上に配置されている場合、プレイエリアは青色の部分で5フィート(1.5m)になります。
Oculus RiftのルームスケールはHTC Viveほど広いわけではないですが、数歩は歩きまわることのできる範囲を設定できるようです。
また,Oculus RiftとHTC Viveのトラッキングの違いは範囲だけでなく、受信と発信の関係も異なります。Oculus Riftではセンサーが受信側となり、Oculus RiftやTouchから発せられる赤外線を受け取って位置を特定します。一方、HTC Viveではベースステーションと呼ばれる2個のレーザー射出装置から照射されるレーザーをヘッドセットが受け取り、空間内の位置を算出します。
この構造の違いにより、Oculus Riftはヘッドセットとカメラが常にセットで運用することになります。一方、HTC Viveでは1セットのベースステーションを、複数のヘッドセットやコントローラーで利用することが可能です。
(参考)
Touch and Vive Roomscale Dimensions Visualized
※Mogura VRはRoad to VRとパートナーシップを結んでいます。