自由に動き回れるモバイルVR「LINK」を先行体験

 

KDDI株式会社とHTC NIPPON株式会社は、2017年7月3日と4日に、HTCユーザーのファンイベント「au HTC users’ meeting」を開催しました。

このイベントでは、2017年7月14日に発売予定の最新スマートフォン「HTC U11」と、U11専用のモバイルVRヘッドセット「LINK」を、ユーザーが実際に体験することができました。

VRヘッドセットとスマートフォンを接続することで、自由に動き回る快適さを手軽に味わえる

「HTC U11」は、HTCが2017年夏のフラッグシップモデルとしてリリースする最新スマートフォンです。U11には、端末の側面を「握る」だけで瞬時にカメラやアプリを起動できる「エッジセンス」や、ユーザー1人1人の耳に合わせて音響を自動調節する「ソニック・ハイレゾ」など、多彩な最新技術が搭載されています。

なかでも注目は、このU11専用の周辺機器として、モバイルVRヘッドセット「LINK」が発売される点です。

USB Type-Cケーブルを使ってLINKとU11を接続することで、手軽にVRを体験できます。しかも、同社のVRデバイス「HTC Vive」と同様に、VR空間を全身で自由に移動できる6DoFにも対応しており、モバイルながらも非常に没入感の高いVR体験を得られます。


今回のイベントでは、一般ユーザーが「LINK」のVRを体験できるという点が大きな目玉となっていました。筆者も会場で実際に体験することができましたので、その使用感をレポートします。

「HTC Vive」でのVRを体験した人なら、6DoFの自由な動きによって圧倒的な臨場感を得られる一方で、VRヘッドセットとPCが長いケーブルでつながっている状態での移動に、やや不安を感じたことがあるのではないでしょうか。

それに対してLINKでは、先に説明したように、VRヘッドセットとスマートフォンをUSBケーブルで接続する形で使用します。スマホ本体をシャツやズボンのポケットに収めれば、ケーブルを自分の身体に沿わせる形となるため、動作を制限されることは一切ありません。VR空間を自由に動き回れる6DoFの体験にあたって、この快適さは非常に大きなアドバンテージになっていると感じました。

LINKのトラッキングは、ステレオカメラ1台を設置して、VRヘッドセットと両手に持ったコントローラーのLEDを検知する形になっています。カメラ1台の画角に収まる必要があるため、HTC Viveのルームスケールのように、VR内部を広く歩き回るような動きをすると、さすがにトラッキングエリアから外れてしまうこともあります。とはいえ、身体の向きや両手の動きはかなり正確に検知してくれるので、VRの世界に自分が入り込んでいるという感覚を、自然に味わうことができました。

モバイルVRならではのセッティングの手軽さと、自由な動きを味わえる密度の濃いVR体験を両立している点が、LINKの大きな特徴だと言えるでしょう。

多様なタイプのVRデバイスはいずれ、用途に応じて統合されていく

またこのイベントに先駆けて、HTCのグローバルセールスプレジデントおよびCFO(最高財務責任者)であるチャーリン・チャン氏が、テレビ会議を通じて、同社の日本市場における成長戦略と「HTC U11」についてのプレゼンテーションを行いました。

このプレゼンテーションの中で、チャン氏が特に強調していたのは、HTCが持っているイノベーションのDNAです。とりわけ、競合各社のフラッグシップモデルに人気が集中する日本のスマートフォン市場においては、他の一歩先を行くイノベーションを示すことが重要になるとのこと。

HTCにとっての「ベスト・フラッグシップモデル」だとチャン氏が語るU11には、エッジセンスを用いた「握る」操作をはじめとする、多数のイノベーションが詰め込まれています。U11専用の「LINK」もその1つです。日本のユーザーは、こうした新しいイノベーションに対して関心が高いため、「LINK」は世界の他の地域に先行して日本に投入したのだそうです。

「VRは今後の人間生活において、重要なポジションを占めていくだろう」と言うチャン氏は、HTCが目指すVRの未来像についても語ってくれました。

VRデバイスは現在、HTCの「Vive」のようにハイエンドPCに接続するタイプや、「LINK」のようにハイエンドのモバイルと接続するタイプがありますが、それに加えて今後は、すでにGoogleから発表されているように、オールインワンの一体型VRヘッドセットも登場します。

チャン氏によると、こうした複数のタイプは一時的に両立していくものの、最終的には「その用途に応じて統合されていくだろう」とのこと。HTCとしては、人々から何が求められているかを見極めた上で、それに応じた製品を供給していくそうです。

また、ARに対する取り組みについて聞かれたチャン氏は、「あまり詳しくは言えないが、ARとVRが融合されたMRの分野に今後、大きな動きが出てくる」とした上で、HTCもそれに対する準備を進めていると回答しました。

今回体験できたモバイルVRの「LINK」をはじめ、PC向けのVRデバイスの中でも人気の高い「Vive」、そしてGoogleから登場する一体型VRヘッドセットと、VRの世界においてHTCの存在は、ますます大きなものとなっています。同社の今後の動向を、引き続き注目していきたいと思います。

この記事を書いた人

  • いろんなところで、ゲームやアニメに関する記事を執筆しています。新たなエンターテインメントとしてのVRにも興味シンシンの、元マイコン少年です。
    Twitter:@ito_seinosuke

  • Mogura VR編集部では、ライター・編集者を募集しています!