ホログラム・ホログラフィ

ホログラフィは光の干渉縞(波長・強度・位相)を記録・再生する技術のこと。そしてホログラムは、ホログラフィで作った3次元写真(写真乾板など、光を記録した媒体)のことを指します。ホログラムを再生することで、記録した3次元物体など、立体的な像を見ることができます。

世の中に存在する空間に現れる立体的な映像の中には、ホログラムではないものも沢山存在します。また波の波長・強度・位相の3つを記録・再生する技術がホログラフィなので、光に限らず、音波や電波でもホログラムを作ることが可能です。

ホログラフィの原理
ホログラフィとは異なるもの

ホログラフィの原理

ホログラフィの基本原理は1948年にGaborによって考案されたものです。


図1 ホログラフィの原理
画像出典:http://www.nhk.or.jp/strl/publica/rd/rd151/PDF/P10-17.pdf

記録する

ホログラムを作るにはまず、記録するための媒体(写真乾板など)を用意します。次に暗所でレーザー光を発し、それを特殊な鏡などを使って2方向に分けます。

分かれたレーザー光の一方は記録媒体に直接照射されます。もう一方の光は「3次元写真として残したい物体」に照射し、「その物体が反射した光」を記録媒体に当てます。

「もともとのレーザー光」と、「レーザー光を浴びた物体が反射した光」が記録媒体の上で干渉し、その干渉縞が記録されます。この記録媒体がホログラムです。

かつての白黒写真は光の強度のみを記録したものでした。カラー写真は強度に加えて光の波長(色)を記録したものです。ホログラフィでは、光の強度・波長に加えて、光の位相も記録することができます。位相を記録することで、「光がやって来る方向」という情報も記録できるのです。

再生する

記録する際に用いたのと同じ特徴を持つ光を、先に作成した記録媒体(ホログラム)に照射します。すると、「記録した物体」がそこに存在した時と同じ光が生じ、(媒体に対して記録した時と同じ位置に)物体の3次元像が生じます。

光で言えば、人間の眼は物体が発する光の情報を受け取っているに過ぎません。物体がそこにあろうと無かろうと、眼に光の情報を正しく渡せば、物体はそこに“ある”ように見えるのです。

ホログラムの像を眼で見るのは、現実世界で物を見るのと何ら変わりないため、HMDや専用のレンズなどを着けずにそのまま見ることができます。また平面の写真とは異なり、見る角度を変えれば、それに応じて像も変化して見えます。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=16
ホログラムの例

(参考)
三科智之 『空間像再生型立体映像の研究動向』 NHK技研 R&D No.151 2015.5

ホログラフィとは異なるもの

「まるで、現実空間にCGのキャラクターが現れたように見える」など、近年、従来のスクリーン投影を超えた映像技術が登場しています。しかし、その中にはホログラフィを使用していないものも多くあります。

両眼立体視


図2 HoloLens

マイクロソフトの開発しているHoloLensは、公式にMRデバイスとされています。デバイスの名前には「Holo」の文字、そしてHoloLensに使われているMR技術のプラットフォームは「Windows Holographic」と呼ばれています。

これらはホログラフィとの関係を示唆する名称ですが、HoloLensを通して見える3次元像はホログラムではありません。

Oculus RiftなどのVRヘッドマウントディスプレイは、目の前に右目用・左目用の有機ELディスプレイパネルを置き、それぞれに視差の分だけずれた映像を見せて両眼立体視を行わせています。

https://www.youtube.com/watch?v=kwn9Lh0E_vU
CGはHoloLensをかけている人にしか見えません。

ペッパーズ・ゴースト

劇場などのステージやアトラクションで用いられる手法に、視覚トリックとされる「ペッパーズゴースト」があります。同じ原理に基づく技術が、ディズニーランドのホーンテッドマンションやDMM VR THEATERなどで採用されています。


図3 DMM VR THEATER
画像出典:DMM VR THEATER 公式ホームページ内
http://vr-theater.dmm.com/about/

ペッパーズ・ゴーストとは、舞台の前に傾けて配置した(半)透明なスクリーンに、観客からは見えない位置から反射を利用して像を作り、まるで舞台上にその物体が出現したかのように見せる手法。

DMM VR THEATERではステージの前に傾けてハーフミラーが配置されています。舞台手前の床に上から映像を投影し、その反射光がハーフミラーに映る仕組みになっています。

半透明スクリーンに投影

初音ミクのライブなどで用いられている手法。特殊スクリーンに、複数のプロジェクターを用いてリアルタイムに映像投影を行っています。

https://www.youtube.com/watch?v=7OPBXWQ5c0Q

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