中国のテンセント社はゲーム業界で世界最大の売上高を誇る企業です。モバイルゲームやSNSの提供をはじめ、世界的に人気のEスポーツの中心的役割を果たしているゲーム『League of Legends』を運営する米ライアットゲームズ社、またUnreal Engine 4で知られる米エピック・ゲームズ社の親会社でもあります。
テンセントはVR関連では既に、エピック・ゲームズ社のほか、VR内でコミュニケーションを図るAltspace VRにも出資を行っています。今回は、テンセント社自身のプロジェクトとしてVRに本格的に取り組んでいくことが明らかになりました。
テンセント社のVRプロジェクト公式サイト
テンセントのVRシステムは、「ministation」と呼ばれるゲーム機とVRヘッドマウントディスプレイによって体験することができるようになります。「ministation」は、カラフルなキューブ状のゲーム機で、インテルCore i5に匹敵しうるQualcommのチップを搭載、Androidで駆動する模様です。性能によって2つのバージョンが発売される予定で、高スペックなものがテンセントオリジナルのVRヘッドマウントディスプレイに対応します。
「ministation」の外見は既に発表されていますが、VRヘッドマウントディスプレイに関してはまだ明らかになっていません。
公式サイトに掲載されているVRHMDはイメージに近いと思われます。
公式サイトには「The Future is Now(未来はいまここに)」と題するとともに、ゲームや映画、ソーシャル、ライブ中継など様々なコンテンツに対応しようとしていることが分かります。
現在開発されているVRヘッドマウントディスプレイはPCやPlayStatioin 4、スマートフォンなど既存のコンソールを利用するものです。テンセントは新たに自社が市場に投入するコンソール機とともにVRヘッドマウントディスプレイを展開するという異なる戦略をとっています。その価格設定や体験できるコンテンツがどのようなものになるのか、注目したいところです。
(参考)
newzoo / Game Revenues of Top 25 Public Companies Jump 16% YoY to $28.7Bn in First Half of 2015
http://www.newzoo.com/insights/game-revenues-of-top-25-public-companies-jump-16-yoy-to-28-7bn-in-first-half-of-2015/
uploadvr / Chinese Internet giant Tencent reveals VR project
http://uploadvr.com/chinese-internet-giant-tencent-reveals-vr-project/