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テック 2017.07.08

ARの軍事利用 米陸軍の「戦術拡張現実(T.A.R.)」

米陸軍は現在、現場で行動する兵士の装備にAR技術を取り入れる研究を行なっています。開発中のシステムは『戦術拡張現実(Tactical Augmented Reality : T.A.R.)』と呼ばれ、デモ動画が公開されています。

Tactical Augmented Reality (T.A.R.)とは

T.A.R.では、兵士がARディスプレイを装着することによって様々な情報をビジュアルで把握できるようになります。ディスプレイには敵味方や、自分が今いる位置情報などが表示されます。また、装備する火器は兵士が携行するタブレットとワイヤレス接続され、熱感知センサーを装備しているため、火器の照準ポイントがディスプレイに表示されます。これらの情報をARディスプレイ上に総合することによって、兵士はターゲットに照準を向けたまま位置情報やナビゲーションなどをマルチに把握しながら行動することができます。

T.A.R.で使用されるARディスプレイは、NVG(赤外線夜間暗視ゴーグル)のように極小のスクリーンをヘルメットに装着することによって使用します。

T.A.R.は2008年から開発が進められており、陸軍の通信用電子機器研究開発センター (CERDEC)などが関わっています。開発のメインフォーカスは高解像度の映像を極小スクリーンに投影する技術で、1インチ(2.5センチ)四方のディスプレイに様々な情報を映し出すことができます。

この技術が実用段階に至れば、現場で行動する兵士は位置情報やナビゲーション、敵味方の識別など、作戦に必要な情報をハンズフリーで把握することができます。従来のように位置を確認するためにいちいちGPSを取り出す必要がなくなるので、従来よりも高いパフォーマンスと生存率の向上を期待することができます。

先日は、米海軍がヘルメット型のARディスプレイを搭載したヘルメットを使い、砲撃の実戦訓練を行ったばかりです。

(参考)
UploadVR / The US Army Is Giving Soldiers A Tactical Advantage With AR(英語)
https://uploadvr.com/us-army-soldiers-tactical-augmented-reality/

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