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テック 2016.08.03

GoogleのTangoがAR対応スマホの次に目指すこと

7月末に開催されたCGの祭典SIGGRAPH2016で注目を集めていた展示の一つに、Googleが開発しているTangoがありました。Tangoはスマートフォンに特殊なセンサーを組み込むことによってポジショントラッキングや世界の3Dマップ生成を行えるARフレームワークです。

VRの中の構造物が現実と対応

VRの展示が集まっていたコーナー「VR Village」ではTangoの開発者端末を利用した『Garden – Mixed Reality』というデモが展示されていました。カーネギーメロン大学の学生による卒業制作プロジェクトで、制作期間は1学期(2学期制)ほど。プレイヤーは端末をCardboardのようなスマホ向けHMDに装着し、『マインクラフト』を思わせるブロックだらけのVRの世界を歩き回ります。ただしこの自動生成された世界は現実の物体と同じ場所に生成されるので、ブロックを触ろうとすると現実世界の家具や壁に手が当たります。このデモではプレイヤーは害虫を蹴って駆除したり、植物を生やしたりと菜園の手入れをするというものでした。

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Tangoが目指す未来

Google自身もTangoをSIGGRAPHでブースを設営。またReal Time Liveと呼ばれるコーナーでデモを行ったり、技術トークセッションを用意するなどと積極的な展示を行っていました。

セッションでは、Tangoの新しい機能は公開されませんでしたが、新たに気になる情報が複数明らかになりました。
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image source ACM SIGGRAPH

今後のTangoが進んでいく方向が明らかにされました。現在、現実を3DCGにする3Dマッピングは個別の端末が各自行っています。つまり、工場出荷時の端末はなんの情報ももたず、すべて0からトラッキングを行う必要があります。今後、GoogleはTango端末が各自の収集した3Dマップを共有し、複数の端末の情報を元にマップ生成ができるようにして、より早くより正確なマップを生成する技術を開発しています。その延長線上には大規模な空間(モールやオフィスビル全体など)をマッピングしていくことを目指しています。

合わせて、現在GoogleのTangoのチームは、シンガポールでの求人を積極的に進めています。シンガポールでは新しくTangoの開発を行うチームが発足し、世界中から人材を集めています。

また、Lenovoと共同で開発している消費者向けのTango対応端末「Phab 2 Pro」の発売時期についても言及がありました。Lenovo Tech Worldで9月であると発表されていましたが、SIGGRAPHでGoogleの担当者は「年末」と言っており、発売が延期する可能性があります。


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