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活用事例 2018.01.17

VRと視線追跡技術で脳震盪を検出 米企業が350万ドル調達

米国カリフォルニア州バークレーを拠点とし、アイトラッキング(視線追跡)技術や脳科学の研究を行う「SyncThink」が、シリーズAで350万ドル(約3.8億円)の資金調達を行いました。調達された資金は脳震盪を測定したり、脳の健康状態を測定するアイトラッキング技術の研究開発に当てられます。

脳科外科医が創業

SyncThinkは、脳神経外科医のJamshid Ghajar氏が2009年に創設しました。アイトラッキング技術と脳科学についての研究に長年取り組み、多くの特許を取得しています。そして2016年にはVRを利用して眼球運動障害を記録、表示、分析する頭部装着型のアイトラッキングデバイス「EYE-SYNC」を開発しました。

視線を追跡し脳の健康状態を判定

EYE-SYNCを装着すると暗闇に円を描きながら移動する点を見ることができます。その点を追随する眼球の動きを分析することで、脳震盪の疑いの有無を計測します。

また、2016年の発表当初では脳震盪の診断のみを行っていましたが、現在は脳の健康状態を調べるための改良が加えられています。

研究開発も加速へ

アメリカンフットボールやバスケットボールなど接触を伴うスポーツは、脳震盪のリスクと隣り合わせです。EYE-SYNCは生命に危険な状態を素早く検知し、適切な対応を迅速に行う大きな助けとなる可能性を秘めています。

同社は全米プロバスケットボール協会(NBA)の強豪ゴールデンステート・ウォリアーズとのパートナーシップを結び、EYE-SYNCの普及に関する取組を初めました。今回の資金調達によって、これらの取組が加速し、多くの命を救うプロダクトになっていくことが期待されます。

(SyncThink公式ページ)
https://syncthink.com/

(参考)
SyncThink Closes $3.5 Million Series A Funding to Further Develop VR-based Concussion Detection – Road to VR
https://www.roadtovr.com/concussion-tech-closes-series-a-round/

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