Home » 米リサーチSuperdata、2020年のVR市場規模予測を下方修正


活用事例 2017.08.14

米リサーチSuperdata、2020年のVR市場規模予測を下方修正

ゲーム業界のリサーチ会社Superdataが2017年8月3日、『Games and Interactive Media Report 2017』と題した新しいレポートを発表しました。今年4月に発表したレポートでは2020年までにVR市場は377億ドル(約410億円)の規模に成長すると予測されていましたが、今回のレポートではこの数値が減少する形になりました。ハードウェアの売上が遅いこととAR/MRへ消費者・投資家の関心が向いていることを理由に挙げています。

Superdataの調査データ

2017年8月にSuperdataが発表した市場予測

Superdataの推計によると、世界全体のVR業界における売上高は283億ドル(約313億円)。内訳はハードウェアが121億ドル(約133億円)、ソフトウェアが162億ドル(約179億円)になるとの予測です。グラフでは3年で売上高が大きく増加していることが分かります。

2016年から2017年にかけて売上高は106%成長しています。今回のレポートで2020年までの市場規模は283億ドル(約332億円)となり、前回のレポートでの予測値から94億ドル(約103億円)減少しました。2016年から成長を続けることは変わらず、毎年売上高が倍近く増加していくと予測されています。

(参考)2017年4月にSuperdataが発表していた市場予測

Mogura VRの問い合わせに対し、Superdataは、下方修正の理由を以下のように回答しています。「2020年までの成長規模が下方修正されたのは、VRヘッドセットの売上が遅いため。ポケモンGOなどの成功により、消費者と投資家の興味がARやMRに向いていることも要因の1つです。」

VR消費者ごとの傾向

SuperdataはアメリカのVR消費者を4つのカテゴリに分け、性別や年代により異なる傾向を分類しています。

18〜24歳の男性ユーザーの52%は、他のVRヘッドセットよりもPSVRを選択。同年代の女性は37%はモバイルのVRヘッドセットでイベントや観光のVRコンテンツを消費するという結果が出ています。性別で興味の対象が大きく異なることが分かります。

35歳以上の男性はどのカテゴリよりもモバイルヘッドセットを所有していて、その割合は70%を占めています。35歳以上の女性の48%が、最初のVRコンテンツを室内で経験。ほとんどが子供のヘッドセットを借りて体験しているとのことです。

別の調査会社からは元々あまり上振れしていない予測データも

今回のSuperdataの市場予測の下方修正は、VR市場の立ち上がりが当初の予測(期待)よりも時間がかかりそう、ということを示しているとともに同社の予測値が期待含みで上振れ気味であることを示しています。

Superdataは2016年にも同年の市場規模予測値を2016年1月(360億ドル)から4月(290億ドル)、10月(270億ドル)とほぼ四半期おきに段階的に引き下げ、翌2017年1月に実績推計値を180億ドルと当初の半分としました。

他方、VR及びAR市場合計の市場規模を予測している英Digi-capitalは、2017年1月にVR/AR市場の予測値を発表しています。2020年のVR市場の市場規模を200億ドル強とSuperdataの改定後予測値と比べても低く見積もっており、AR市場(特にスマートフォンAR)の伸びが大きいとしています。

(参考)
SuperDate / VR Revenue To Hit $30B Claims Superdata’s Games And Interactive Media Report 2017 -(英語)
https://www.superdataresearch.com/market-data/market-brief-year-in-review/

VR Focus / VR Revenue To Hit $30B Claims Superdata’s Games And Interactive Media Report 2017 -(英語)
https://www.vrfocus.com/2017/08/vr-revenue-to-hit-30b-claims-superdatas-games-and-interactive-media-report-2017/

Mogura VRはVR Focusのパートナーメディアです。


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード