VRを利用したスポーツトレーニングシステムを開発するSTRIVRは、新たにアメリカのスキー&スノーボード全国団体のハイパフォーマンス部門との提携を発表しました。2018年韓国平昌での冬季オリンピックに向けて、実際に使用されるコースの感触をシミュレートする目的で活用されています。
実際のコースをVRで体感
STRIVRは、アメリカンフットボールリーグのNFLと協力して審判のトレーニングシステムを開発するなど、スポーツ業界に向けた体感型学習システムを提供しています。
今回発表されたスキー&スノーボード団体との提携では、今年行われる平昌オリンピックに向け、実際に選手が滑走するコースの360度撮影が行われました。
これまでのオリンピック競技では、各選手はコースをテストするために、数時間~1日程度の事前トレーニングを行っていました。一方STRIVRのトレーニングシステムを導入することで、実際に使うコースを繰り返し体感し、じっくりと覚えることが可能になります。
選手は実際に滑走する視点から、以下のような映像を体験することができます。
https://www.youtube.com/watch?v=B2kXtJNGA8I
好きなだけ繰り返し練習が可能
STRIVRのチーフストラテジーオフィサーDanny Belch氏は米メディアUploadVRの記者への回答で以下のように語っています。
「各レースでは、レース日の前に1~2日の“検査日”が用意されます。その間、選手とコーチはコースを実際に滑走し、アナリストはコースを測定、また通常はコースの2D撮影などを行います。
米国スキー&スノーボード団体の協力で、今回はSTRIVRで4K・90FPSの360度撮影を行いました。選手は検査日の数時間だけではなく、当日までに好きなだけシミュレーションを行うことができます。大きい大会では、こうした検査日は大会の数ヶ月から数年前に行われることもあります」
STRIVRは、2015年にNFLのダラス・カウボーイズと提携してVRトレーニングを手がけ始めました。2016年末には500万ドルの資金調達に成功、その後もウォルマートと提携するなど、VRを用いた学習・トレーニングシステム事業を推し進めています。
(参考)
Olympic Athletes Are Using STRIVR To Train For 2018 Winter Games / UploadVR(英語)
https://uploadvr.com/vr-2018-winter-games/