ソニー株式会社(以下、ソニー)が、触覚フィードバック関連のテクノロジー開発を手掛ける企業Immersion Corpと、特許のライセンス契約を締結したことが明らかとなりました。今回の契約により、ソニーは今後Immersion Corpの触覚フィードバック技術を、自社のコントローラー類に使用することが可能となります。
(2018年1月に明らかにされた、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの特許より引用。角ばったデザインのスティックコントローラーだ)
30億のデバイスに導入される技術を持つ
今回ライセンス契約を結んだImmersion Corpは、1993年に創業されたカリフォルニアの企業です。計3,500件を超える保有特許(出願中含む)を活用したライセンス契約や、適正なハードウェアの認定といった事業を主に行っています。
Immersion Corpによると、同社の触覚フィードバック技術は全世界で30億以上のデバイスに導入され使用されているとのこと(2019年5月時点)。技術が導入されているデバイスには、任天堂の家庭用ゲーム機Nintendo Switchも含まれています。
新型デバイス開発のための契約?
2019年5月現在、ソニーがライセンス契約で獲得した技術の用途は明らかになっていません。PlayStation VR(以下PSVR)用デバイスの開発に使用される可能性も十分あると推測されます。
現行のPSVR用コントローラーは、通常のPlayStation 4用コントローラーと同様にモーターで稼働します。この仕様は、リニアアクチュエータが実装されているOculus TouchやVIVEコントローラーと比較すると、レイテンシや精度の面で一歩劣ります。
そういった問題点を解決するためにソニーがImmersion Corpの技術を導入し、PSVR2、あるいは現行のPSVR用の新型コントローラーを開発が行う可能性は十分考えられます。
2018年から数度、ソニーはPSVR用と思われる新型コントローラーの特許を出願しています。同コントローラの仕様は、Valveの新型VRヘッドセット「Index」用のハンドコントローラーValve Index Controllerに類似しており、抵抗付きのトリガーやハンドディテクションなどが実装されています。
触覚フィードバックがこの新型コントローラーに導入されるのか、あるいはまったく新しいコントローラーの開発が始まるのか、今後の展開に期待が寄せられます。
(参考)UploadVR