動物保護活動やホームレス生活を体験 社会問題に焦点を当てたVR映像


トライベッカ映画祭はニューヨークのトライベッカで毎年春に開催される国際的な映画祭です。

今年の映画祭で設けられたVR映像を体験できるコーナー“Tribeca Immersive’s Virtual Arcade”では、コンゴで起きている象の密猟やホームレス問題など社会問題をテーマにしたVRコンテンツが 展示されました。

触覚などの体感を重視した体験に関してはすでに取り上げました。今回は、社会問題をテーマにしたVR映画の一部を紹介します。

密猟者から象を守る『The Protectors: Walk in the Rangers Shoes 』

『The Protectors: Walk in the Rangers Shoes 』は、コンゴのガランバ自然公園の象たちを密猟者から保護するレンジャーたちに焦点を置いたVR映画です。映画の長さは約8分で、鑑賞者は象牙を狙う密猟者から象を保護するレンジャーたちの戦いを間近で見て体験できます。

トライベッカ映画祭では自然公園をモデルにしたセットも設置されており、より充実した没入感を感じることが可能でした。

ホームレスの生活を体験『Becoming Homeless』

『Becoming Homeless』は、スタンフォード大学の研究所が制作した約10分のVRコンテンツで、体験者はホームレスの生活とはどのようなものかを体験することができます。

仕事を失いアパートの家賃を払うためテレビやパソコンを売るという状況からストーリーは始まります。その後、家賃を払えなくなり車で過ごすことになりますが、しばらくすると車でさえも過ごすことができなくなります。

最終的に、完全に家も職も失った状態になり、自分の身を守りながらの生活を強いられ、ホームレスの生活とはどのようなものかを体験することになります。

性犯罪被害者の話を聞く『Testimony』

『Testimony』は約40分の性犯罪被害者の話を体験できるVR映画です。

鑑賞者はVRヘッドセットを装着すると、周りを数々の泡に囲まれ、その中から泡を1つ選ぶことができます。それぞれの泡から性犯罪にあった被害者の自らの体験を聞くことができます。

身体にハンディキャップを抱える人の生活を体験『Unrest』

『Unrest』は約10分のコンテンツで、体験者は身体にハンディキャップを抱える人の症状や生活の難しさを体験することができます。

体験者は実際にベッドで横になった状態になり、自由にベッドから動くことができなくなります。

また、実際にハンディキャップを抱える人の話を聞くこともでき、ハンディキャップを抱えることはどのようなことか考えさせられるコンテンツとなっています。

ニューヨークのメトロに乗る人々の心を見る『Blackout』

『Blackout』は鑑賞者はニューヨークのメトロに乗り、乗客の心の中を覗き込むことができるVRコンテンツです。メトロに乗るさまざまな乗客から1人に焦点を当てると、日々の苦悩や夢などその人の心の中にある感情を垣間見ることができます。前回記事でも紹介しています。

メトロの中のポールなども実際のセットで設置されており、セットも手で触ることができるので、よりリアルなVR体験が再現されています。

通常の映画で見るよりもさらにストーリーに入り込むことができるVR映画は、こうした社会問題を理解することにも大きな可能性が秘めていることを示しています。

今後もどのような形で VRが社会問題に取り組むために用いられていくか注目です。

(参考)
VR For Awareness Takes Over Tribeca Film Festival
https://vrscout.com/news/vr-for-awareness-tribeca-film-festival/ (英語)

トライベッカ映画祭 公式ページ https://tribecafilm.com/festival (英語)

この記事を書いた人

  • Ryo

    いろんな言語を勉強している言語オタクです。VRにも興味があるからVRオタクです。でもゴールデンレトリバーも好きだからゴールデンレトリバーオタクでもあります。VRにはゲーム以外にも教育や福祉、医療などでも大きな可能性があると思います。そんなVRを様々な側面からわかりやすく紹介できるようのほほんと頑張ります。

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