大手SNS、Snapchat 株価下落からの回復の鍵はARか

2017年8月11日の米国株式市場で、写真共有アプリ「Snapchat(スナップチャット)」を運営するSnap社の株価が急落しました。Snap社は今年3月に上場したばかりの企業です。上場直後の株価は好調でしたが、その後は下落が続いています。

Snap社が提供するSnapchatは、AR技術を採用した写真撮影機能で有名になった写真アプリ。カメラを起動して好みのエフェクトを選ぶと顔に犬のエフェクトなどがかかり、友達や家族と楽しむ10代が急増しました。

エフェクトカメラの先駆け的存在として人気を築いたSnapchat。しかし成長率は投資家の予想を下回るものでした。

Snapchatの成長率

Snapは同社の売上高は153%増の182百万ドル、純利益は4億4300万ドルとほぼ倍増すると発言。しかし営業時間外取引では17%減の1740万ドルとなりました。3月のIPO時の株価と比べると33%の下落です。

ユーザー数の増加ペースがアナリストの予想を下回っているのも課題です。リサーチ会社ファクトセットのアナリストは、平均デイリーユーザーは1億7,500万人増加すると予測。しかし結果は1億7,300万人でした。全体的に予測を下回る成長率となっています。

他プラットフォームが同様の機能を導入

Snapchatが苦戦している原因の1つに、競合のソーシャルメディアがSnapchatの特徴的なフィルター機能やストーリー機能を取り入れたことが理由に挙げられます。

フィルター機能はAR技術を取り入れてカメラに写った顔に、キャラクターの顔を合成したり顔交換をしたりできる人気機能。ストーリー機能は24時間で投稿したコンテンツが自動で消えてしまうため、気負わず好きなものを投稿できると人気のある機能です。

しかし2016年8月にフェイスブックが運営する写真・動画SNSであるInstagramが同様のストーリー機能「Instagram Stories」を取り入れました。2017年4月にストーリーズの利用者数が2億人に達し、Snapchatの利用者数を上回りました。

さらに、今年に入ってInstagramはARのカメラフィルター機能を追加。Facebookは2017年3月に、ストーリー機能とカメラフィルター機能を一度に導入して話題になりました。InstagramがSnapchatと同様の機能を導入したことで、同社独自の機能やサービスの強化と追加が迫られています。

また、2017年7月31日は、同社のロックアップ期間の終了期限でもありました。社員や初期からの投資家は上場後の一定期間、保有する株の売却を禁じられています。これをロックアップ期間といいます。ロックアップ期間は上場ごとに異なりますが、Snapは上場後150日間に設定。2017年7月31日からロックアップ期間が終了となっています。

AR機能を使った「踊るホットドッグ」フィルターと眼鏡型デバイス「Spectacles」


Snapchatが最近導入したカメラレンズ機能に、踊るホットドッグのフィルターがあります。インカメラにすると従来のレンズのようにキャラクターの顔部分が写真に写っている人の顔に、アウトカメラにすると踊るホットドッグが現実世界でダンスするレンズです。親指と人差し指でキャラクターの大きさを変えることができ、ホットドッグの移動も可能。今までとは異なる新しいレンズとして人気が出ています。

この踊るホットドッグはSnapchatが2017年4月に導入した「World Lenses」の1つ。スマホの背面カメラで現実世界を認識し、フィルターをかける機能です。今まで自撮りを楽しんでもらうことに特化してきましたが、この新機能でSnapchatの楽しみ方を強化できそうです。

またSnapchat用の撮影カメラとして2016年秋に発売された「Spectacles」もSnapの柱となる製品になる可能性があります。サングラス型のカメラで、装着すると自分の目線で景色や対象を10秒間撮影できます。撮影した動画はSnapchatに直接送信できるという手軽な操作性もポイントです。今後Snapchatの中心的製品となっていくことが期待されています。

SnapのCEOエヴァン・シュピーゲル氏は、踊るホットドッグのフィルターの成功を確信。さらなるAR機能の強化に成長の見込みを感じています。同様にスマートフォンを使ったAR機能は、フェイスブックがAR Camera機能としてフィルターを搭載予定、またアップルは今秋配信されるiOS11にてAR機能を追加します。

競合も増える中、Snapchat独自の戦略やさらなるフィルターで再び成長できるのか、注目が集まります。

(参考)
UploadVR / Snap Stock Dropped 17% From Decreased Revenue And Lagging User Growth -(英語)
https://uploadvr.com/snap-stock-dropped-17-percent-revenue-growth/

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この記事を書いた人

  • IT・テック系を中心にライター兼翻訳者として活動。ゲーム翻訳にも携わっています。エンタメや医療などさまざまな分野で存在感を増すVR・ARに興味津々です。特に身近なモバイルVRのこれからに注目しています。

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