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スマホVR 2020.03.21

これだけは押さえたい!スマホで楽しむVR入門

2020年現在、「VR」といえばハイエンドPCに有線接続するものや、Oculus Questを筆頭としたヘッドセット単体で動作するものが代表的です。

しかしスマートフォンだけで利用できる、いわゆる「スマホVR」は、前述のようなデバイスには性能面で劣るものの360度動画の視聴やVRライブ配信などを楽しむにはピッタリです。本記事では今こそチェックしておきたい、スマホVRの特徴やコンテンツについて紹介します。

スマホ向けのVRゴーグルはどれがおすすめ?

スマホVRを見るにあたって必要なのは、専用のVRゴーグルです。スマートフォンをはめ込み口に挿入し、レンズ部分をのぞき込んで使います。

これまで数多くのゴーグルが登場しており、100円ショップで売られているものからものから、数千円の本格的なものまで様々です。中には「非使用時には折りたためる」というアイデア品もあります。

「どんなものかまずは試してみたい!」のであれば、ダンボール製のもので十分です。10分以上の映像コンテンツを見る場合は、両手がフリーになる頭部固定式の購入を検討してみるとよいでしょう。いずれにせよゴーグルに応じて対応しているスマートフォンの規格が違うので、購入時にはチェックが必要です。

スマホVRで体験できるコンテンツ

・360度動画など動画コンテンツ
(Netflix、VARKなどのようにスマホVRに対応していない動画コンテンツもあり)
・スマホゲームのVRモード
など

スマホVRで体験できないコンテンツ

VRゲームを始めとする本格的なVRコンテンツ
(PlayStation VRやOculus QuestなどのVRコンテンツは一切スマホ対応していない)

まずは動画から

スマホVRを体験する上で手軽なコンテンツといえば、360度動画を始めとする動画が挙げられます。最近では360度全部が見れるものだけでなく、前方だけを撮影した180度動画もあります。代表的な体験サービスを紹介しましょう。

YouTube


筆頭はやはり、YouTubeの動画です。「360度」「360°」「VR」などのキーワードから検索すれば、文字通り多種多様な動画が見られます。


最近では「新型コロナウイルスの流行によって隔離措置中の杭州市を360度カメラで撮影した映像」がアップロードされ、話題となりました。

バーチャルYouTuberのキズナアイは、オリジナルソングのVRライブMVを公開しています。昨今流行しているVRライブに近い、臨場感のある体験ができます。

講談社のVRアイドルプロジェクト『Hop Step Sing!』も、各楽曲のVR MVのショート版が公開されています。(DMM VR動画でフルバージョンが購入可能です)

実写からCGまで多種多様な360度動画を、誰でも無料で見られるため、VRコンテンツの入口として最適です。ただし画質が体験の質に直結するので、試す際は良好なWi-Fi環境下か、YouTubeプレミアムで使用できるオフライン保存を推奨します。

DMM VR動画

DMM.comの提供する「DMM VR動画」も、360度動画が多数そろっています。お笑い、ミュージカル、アニメ、スポーツ、グラビア、アダルトと、ジャンルの幅広さも特徴です。60fpsにも対応しており、映像の質自体も高めです。作品によっては1時間以上のものもあるため、頭部固定できるVRゴーグルが活躍するでしょう。詳細&アプリの配信先はこちら

スマートフォンからでも参加できるVRライブ

2019年より開催が相次いでいるVRライブも、いまやスマートフォンからの参加が可能となりつつあります。代表的なアプリを2つご紹介します。

LiVR

「LiVR」はソフトバンクが提供しているスマートフォン向けVRプラットフォームアプリです。月額980円(税込)で、スポーツや舞台などのVRコンテンツを楽しめます。

ライブ配信にも対応しているのが特長で、AKB48グループの劇場公演がほぼ毎日配信されています。また、視点の切り替えも自由で、VRモード中は視線によって切り替え操作が行えます。詳細&アプリの配信先はこちら

INSPIX LIVE

「INSPIX LIVE」は、パルス株式会社が提供しているスマートフォン向けバーチャルライブプラットフォームアプリです。VR空間上で行われる「バーチャルライブ」に参加できます。

現在は、岩本町芸能社の所属のVRアイドル「えのぐ」のバーチャルライブや個別トーク会がメインコンテンツです。無料のデモも公開されておりバーチャルライブ体験の入口としておすすめです。アプリの配信先はこちら(iOS / Android)。

VR対応のゲームアプリ

一部のゲームアプリにはVRモードが実装されています。「オルタナティブガールズ」や「ときめき アイドル」など、これまで様々なアプリが登場してきましたが、近年、最も大きな話題となったタイトルといえば…。

ラブプラスevery

多くの「彼氏」を生み出し、社会現象にもなった「ラブプラス」シリーズの最新作、『ラブプラスevery』。スマホアプリとして登場した本作もゲーム内で発生する一部のシーンパートがVRモードに対応しています。

ゲーム中のVR対応シーンでは「彼女(ヒロイン)」が、眼前にいて、息遣いを感じるように動きます。著者も体験しましたが、恋に落ちること必至です。VRコンテンツとしても、視線操作の採用によってコントローラーいらずで選択肢操作ができると同時に、「視る」操作自体がプレイヤー自身のロールプレイとしても機能しています。制約の多いスマホVRコンテンツとしては破格ともいえる体験をもたらしてくれます。

シリーズ通してのファンにもそうでない方にも、平等にオススメしたいスマホVRコンテンツです。アプリの配信先はこちら(iOS/Android)。

©2019 Konami Digital Entertainment

これからのスマホVRの可能性

VR専用デバイスがより安価で簡単操作なものへと発展していることもあり、スマホVRは以前のような「お手軽」さという優位性は失われつつあります。しかし誰もが持つデバイスであるスマートフォンから体験できるという点では、未だに「入門用」として手堅い印象です。現在のスマホVRは、そのような位置にあると言ってよいでしょう。

そうした世情も踏まえてか、「LiVR」や「INSPIX LIVE」のようなVRライブプラットフォームがスマホへいち早く進出するなど、コンテンツの追加が行われている点は見逃せません。

体を動かすこれぞVRゲームと言えるコンテンツや、同じ360度動画でもより高品質に体験したい場合は一体型VRヘッドセットをはじめVR専用のデバイスがオススメです。気になるコンテンツがある場合には手元のスマートフォンを使ってサッと楽しむのもアリと言えるかもしれません。あくまでも「入門用」ということは忘れずに。

執筆:浅田カズラ


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