Oculus VR社は、8月20日に開発者用のSDK及びOculus Rift使用に必要なランタイムのメジャーアップデートを行うことを明らかにしました。
Oculus Riftは2016年第1四半期の製品版に向けて、開発者向けSDK及び使用時のランタイムの改善が進められています。8月20日に行われるメジャーアップデートでは、バージョンが0.7になります。新たに実装される「Direct Driver Mode」により、動作の安定性や遅延の低下を実現するとしています。
なお、バージョン0.7のランタイムを使用した場合、SDKのバージョン0.5以前で制作されたアプリケーションは動作しないとのこと。現在公開されているOculus Rift向けのゲーム、アプリケーションはSDK0.7及び0.6.0.1で更新する必要があります。
Direct Driver Modeの実装
今回のアップデートでの目玉の1つが、「Direct Driver Mode」です。これまでOculus Rift DK2を動作する際には2つの動作モードが存在していました。そのうち、モニターを拡張する「Extended Mode」は、遅延も大きかったため、廃止されます。その代わりGPUメーカーのnVIDIAやAMDの協力の下、開発された「Direct Driver Mode」が実装されます。
「Direct Driver Mode」は、Riftを使用するにあたってこれまでのところ最もしっかりとした信頼できる動作方法だとして、これまでの「Extended Mode」で発生していた問題を大幅に削減できるとしています。なお、この「Direct Driver Mode」を動作させるにはGTX645以降、HD7730以降のグラフィックボードを使用する必要があります。
SDKの互換性と0.7へのアップグレードについて
今回のアップデートについて、Oculus社は製品版に向けたSDK1.0に関してはより長期的に使用できるような形にしたいとしています。
また開発者が使用するゲームエンジンに関しては、Unity 5.1およびUnreal Engine 4.8以降のネイティブでOculus Riftに対応しているものを使用している場合、SDK 0.6ベースのエンジン統合が行われているため、今回のアップデートで影響は受けません。0.7ベースのエンジン統合を進めていくとのこと。また、Unity 4.xでは0.6ベースのプラグインをダウンロードして使用することになります。今後もUnity4向けのサポートは続くが、Unity5.0以降へのゲームエンジンのアップデートが推奨されています。
今回のアップデートの考察はOculus Riftのコンテンツ開発を行っている野生の男氏のブログでも解説されています。
(参考)
Oculus VR公式開発者向けブログ Upcoming Oculus PC SDK 0.7 Compatibility Changes
https://developer.oculus.com/blog/upcoming-oculus-pc-sdk-0-7-compatibility-changes/