サムスンとマイクロソフトは、マイクロソフトが10月17日より展開するPC向けのプラットフォーム「Windows Mixed Reality」対応のヘッドセット「Odyssey」を発表しました。有機ELを採用し、価格はコントローラー込で499ドル(約5.5万円)となっています。日本での発売予定は不明です。
サムスンはこれまで、2015年末よりスマートフォンGalaxy向けのハイエンドなモバイルVRヘッドセットGear VRを500万台以上、販売してきました。Gear VRはOculusとの提携によるものでしたが、今回PC向けに関してはマイクロソフトと提携したことになります。
「Odyssey」はマイクロソフトがWindows 10向けに提供する「Windows Mixed Reality」に対応したMRヘッドセットで、没入型のVR体験が可能になります。このMRヘッドセットは、同じMixed Reality(MR)の名前を冠してはいますが、シースルー型のMRデバイスHoloLensと異なり、世界に完全没入するVRヘッドセットです。外部センサー不要で、USBケーブルとHDMIケーブルをWindows 10のPCに差し込むだけでハイエンドなVR体験が可能になります。また付属するコントローラーで手を動かすことも可能です。
有機EL搭載、かゆいところに手が届くMRヘッドセット
MRヘッドセットは、これまでAcer、ASUS、DELL、Lenovo、HPといったPCメーカー各社も展開が発表されています。いずれのモデルともサムスンの「Odyssey」が異なるのは、ディスプレイにAMOLED(有機EL)を採用していること。他のモデルは液晶を採用しており、世界最大の有機ELメーカーであるサムスンならではの特徴となります。有機ELはOculus RiftやHTC Viveにも採用されており、発色の良さと黒の深み、応答速度の速さなどが液晶に勝っているとされています。
「Odyssey」には、3.5インチ、片目1,440 x 1,600の有機ELパネルが2枚搭載されています。視野の広さを表す水平視野角は110度とこちらも他のMRヘッドセットよりも広くなっています。瞳孔間距離(IPD)の調整が可能、マイクとAKG製空間音響対応ヘッドホンを内蔵、などスペック以外の面でも、ユーザーが不便に感じる点への対処が行われており、他のMRヘッドセットよりも充実しています。これまでVRヘッドセットを世界に展開してきたサムスンならではのノウハウの結晶になっていると考えられます。
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「Odyssey」は、2017年11月6日の発売を予定。10月3日から北米、中国、韓国、ブラジル、香港で予約を開始しています。価格はコントローラー込で499ドル(約5.5万円)。他のMRヘッドセットがコントローラー込みで399ドルから499ドルということを考えると同程度の価格帯です。日本での展開は未定です。
スペックは以下の通りです。
Odysseyヘッドセット
対応プラットフォーム |
Windows Mixed Reality |
ディスプレイ解像度 |
3,5インチ 1,440×1,600のAMOLED×2枚 |
リフレッシュレート |
90Hz/60Hz |
インターフェース |
HDMI2.0、USB3.0一体型ケーブル(4m) |
レンズ |
シングルフレネルレンズ |
視野角 |
水平 110度 |
瞳孔間距離(IPD) |
60-72mm |
カメラ |
6DOF(6自由度)カメラ 2基 |
センサー |
加速度センサー、ジャイロセンサー、コンパス、近接センサー、IPDセンサー |
オーディオ |
内蔵マイク2基、AKG製ヘッドホン内蔵 |
調整機構 |
音量、IPD |
サイズ |
202mm×131.5mm×111mm |
重量 |
645g |
(参考)
サムスン公式
https://www.samsung.com/us/computing/computing-accessories/computers/xe800zaa-hc1us-xe800zaa-hc1us/
VRScout
https://vrscout.com/news/samsungs-odyssey-vr-headset-oled/