ロシアでVR体験中の男性が死亡 つまずいてガラスのテーブルに衝突

12月22日、ロシア・モスクワで、部屋でVRヘッドセットを装着しVR体験中の男性が致命傷を負って死亡しました。

このニュースはロシアの通信社Tassが報じているもので、ロシア連邦捜査委員会のモスクワ本部のシニアアシスタント、ユリア・イワノバ氏がメディアに説明した内容に基づいています。

イワノバ氏によると「モスクワのMarshal Zhukov Avenueの自宅で44歳の男性の遺体が発見された」とのこと。「予備情報から、VRメガネを装着しながら部屋の中を動き回いている最中につまずき、ガラスのテーブルに衝突し、傷を負ってその場で出血多量死した」と述べています。

以降、詳細な調査が行われています。

視界を覆うVRヘッドセットの利用にあたっての注意喚起

VRヘッドセットは没入感を得るというその性質上、視界を全て覆って使用します。ハイエンドのVRヘッドセットの場合、動き回ることもあり、場合によっては手を大きく振り回したり、数歩歩くといった行動も視界を覆った状態で行うことになります。

現実世界が見えない状態でVRを体験するため、各ハードウェアメーカーからはプレイ前の片付けや体験エリアに何も置いていないことが注意喚起されています。VRヘッドセットを体験する際は十分に注意して体験する必要があります。

HTC社のHTC Viveの「安全規制ガイド―重要安全情報」より

周囲が安全に本製品を使用できる環境であることを確認してください。

本製品のヘッドセットを装着している最中は、周囲の環境を視認することはできません。ヘッドセット内に投影される映像は、現実の世界とは異なります。本製品は、必ずものが片付けられた安全な場所で使用してください。本製品のシャペロンシステムに安全確保を委ねないでください。階段、大きな窓、熱源の付近、もしくは戸外で本製品を使用しないでください。本製品の使用場所から人、家具、その他自由に行動するうえで障害や妨げとなる物体を遠ざけてください。例えば、本製品を使用中にペットが部屋に入った場合、ペットの存在に気づかない可能性が高く、バーチャルリアリティ環境内で動いている最中にペットとぶつかる可能性があります。本製品の使用中に起こりうる危険を警告してくれる他者の監督下においてのみ、本製品を使用することが推奨されています。起こりうる危険の例として、ケーブルに足をとられて転ぶ、本製品を使用中の環境にペットが侵入する、ユーザーが壁やその他の危険な場所に近づきすぎる、などを含みますがこれらに限定されません。

ソニー・インタラクティブエンターテインメント社のPlayStation VRの説明書に記載の「安全のためにー注意」

• VRヘッドセットを装着すると周囲が見えなくなるため、次のことに気をつけてください。人や物にぶつかったり、バランスを崩して転倒したりするなど、事故やけが、故障の原因と
なります。
‒ 装着する前に周囲に人がいないか、ぶつかったり、踏みつけたりする家具や物がないかを確認し、充分なスペースを確保してください。
‒ 使用中は遊んでいるスペースの安全確保に配慮してください。特に、小さなお子様やペットがいる場合は立ち入らないように注意してください。
‒ 装着したまま歩かないでください。
‒ VRヘッドセット接続ケーブルが体に巻きついたときは、巻きつきを解消してからお使いください。
‒ 頭や手、体を大きく動かすなど、過剰な動作は避けてください。

上記のようにメーカー側でも説明書での注意喚起が促されているだけでなく実際にソフトを起動中等にも注意喚起があります。PSVRでは、VRソフトの起動時(対応ソフトはVRモードの起動時)に必ずテレビの上下に据え付けたカメラから現実を撮影した映像を見せ、「周囲に物がないか、人がいないか」の確認プロセス設けています。


PSVR接続時の注意喚起


PSVRソフト起動時の確認画面


HTC Viveを使うSteamVRの設定画面、「ヘッドセットの装着中に何かにぶつからないよう、このスペースから障害物を取り除いてください。」との記述があります。

今回の事故に関して、ガラスのテーブルがプレイエリア内外どちらにあったのか、ヘッドセットのケーブルにつまずいたのかそれとも片付けていない何かにつまずいたのか、など判明している以上の状況の詳細については不明です。メーカーへの安全対策の強化などに発展するのか、今後も注視したいところです。

(参考)
VR glasses blur reality leading to death blow for Moscow resident / TASS
http://tass.com/society/982465

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この記事を書いた人

  • 慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
    VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。

    Twitter:@tyranusii

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