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活用事例 2015.06.25

米ベンチャーキャピタルがVR関連への投資プログラムを実施。その成果はいかに(第3回)

米ベンチャーキャピタルがVR関連への投資プログラムを実施。その成果はいかに(第3回)

アメリカのベンチャーキャピタル「Rothenbelg Ventures」は、「River」というVR事業促進プログラムで、13のプロジェクトに総額130万ドルを投資しました。支援期間は3ヶ月、各プロジェクトはオフィスを提供され、専門家のアドバイスも受けながら進みました。先日、支援期間の最後に、各プロジェクトの成果がイベントにて展示されました。4回に分けて、「River」プログラムのすべてのプロジェクトを紹介します。今回は第3回です。

第1回はこちら
第2回はこちら

また、現在第2期の対象プロジェクトを募集しているところです。

FOVE

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FOVEは日本の小さなチームが開発している視線追跡型のHMDです。これにより、視線を向けた際に反応するインタフェースであったり、ゲームの開発が出来ます。アバターに視線を同期する事もでき、VR内でのボディランゲージの幅が広がるという点でも、今後が楽しみなHMDのひとつです。驚くべきなのは、「フォビエティドレンダリング」と呼ばれる描画を処理するレンダリング時間の削減を目指した技術です。これは、ユーザーの視線の中心だけをハイクオリティにレンダリングし、その周辺の解像度を下げるという技術です。このレンダリングが正しく動作すると、ユーザーにはハイクオリティに見えていても、コンピューターの計算を大幅に減らす事ができます。マイクロソフトによる実証実験によると、このレンダリング方法を使用すれば、従来の5倍から6倍レンダリング時間が速くなることが分かっています。

FOVEに関しての詳細はこちら

TriggerVR

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TriggerVRは、過酷な状況でも使用できる頑丈な360°カメラを開発しています。360°映像と言えば、GoProの複数台接続を思い浮かべられるかもしれません。しかし実際には、GoProでの360°映像をシームレスに結像するには、難しい点がいくつかあります。複数のカメラの映像結合の他、無視差点への理解など、カメラマン独自の技術が必要になる上、熱暴走によるフリーズやコマ落ちが問題となっていました。

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TriggerVRの特徴は小さいのにも関わらず、レースカーのコクピットような限られた空間でカメラが動作する際の発熱や映像の同期などの問題を解決し、耐久性においてGoProを超える事を目指しています。最終的には、独自のハードウェアを開発する予定です。また、様々なデバイスで360°VR映像を再生できるホスティングプラットフォームを構築しており、Google cardbordのような両眼にレンズが1枚ずつついたVRデバイスで鑑賞できるように分割画面表示に対応したアプリをiOS向けに配布しています。
アプリはiTunesからダウンロードできます。

Vantage TV

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Vantage TVは、Riverのプロジェクトが成果を発表するFounder Field Dayにて印象的なデモンストレーションを行いました。4人のユーザーが、同時にVR 映像を同時にGearVRで体験しながら、マイクを通して相互に話せるというものでした。VantageのCTO、Michael Richardson氏は、「ユーザーがインターネットを介してリアルタイムにストリーミングされているVR映像を楽しみながらチャットできるシステムを作りました。公開間近です。」と語っています。また、Vantageでは180°視野で撮った映像を360°のプラットフォームで見渡せる事ができる独自のシステムを開発しています。これにより、撮影現場に360°映像を撮るための特殊な装置カメラリグを必要としません。必要なのは、既存のカメラとVantageの開発した特殊なレンズのみです。実際に映像を経験した米メディアRoad to VRの記者によると、後方の視野180°が撮影されていない側だと感じさせないほどの出来になっているようです。どの程度のものか、体験してみたいですね。

(参考)
Rord to VR – river-field-day-part-3
http://www.roadtovr.com/river-vr-accelerator-startups-showcased-at-founder-field-day-part-3/


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